哨戒艦沈没:艦内で爆発か、触雷した可能性も

 韓国政府は天安艦沈没事故の原因について、▲哨戒艦の機関室などでの爆発事故▲北朝鮮による魚雷攻撃▲北朝鮮が仕掛けた機雷に接触▲地形・地物との衝突-など、さまざまな可能性を念頭に置いて検討したところ、「艦内での爆発、または隠匿された爆発物との接触のうちどちらかである可能性が高い」という暫定的結論を下したという。

 韓国政府の関係者は、「直接交戦により沈没した可能性は低いと見ている。事故原因を正確に究明するには、かなりの時間を要する見込みだ」と語った。大統領府(青瓦台)の金恩慧(キム・ウンヘ)報道官は、「北朝鮮が関与しているかどうかは確認できていない」と話した。韓国政府は、今回の哨戒艦沈没事件の原因を把握するため、米国など関係諸国とも共同で情報収集と分析に当たるとしている。

(1)艦内で爆発事故が発生した可能性

 北朝鮮との交戦がなかった場合、艦内で爆発が起きた可能性が最も高い。韓国政府も、この可能性を念頭に置き、調査を進めているものと思われる。しかし韓国海軍の関係者らは、機関室での爆発など艦内で火災が発生した場合、自動消火装置が作動するため、艦が沈没する可能性は低い、と語っている。また艦内事故の場合、艦の指揮官が直ちに上部へ報告することになっており、今回のように沈没原因が不明になることは考えにくいとの指摘も上がっている。

(2)北朝鮮による魚雷攻撃の可能性

 北朝鮮の潜水艦は老朽化が著しいが、作戦不能というわけではない。しかし海軍の専門家らは、沈没した海域の水深は40-50メートル程度で、潜水艦の活動は難しい、という点を指摘している。ただし、北朝鮮の小型潜水艦が小型魚雷を搭載して隠密裏に侵入し、天安艦の後方から攻撃した可能性も提起されている。これは、今後の調査によって明らかにすべき部分だ。

(3)北朝鮮が仕掛けた機雷に接触した可能性

 韓国政府は、触雷の可能性も提起している。しかし、天安艦の沈没海域は潮流が7-8ノットに達するほど速く、機雷を敷設することが難しい海域に挙げられる。この海域に機雷を仕掛けたとしても、機雷が北朝鮮の海域に流され、北朝鮮の艦艇が被害に遭う可能性が考えられる。

写真提供=大統領府

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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