韓国で世界最大規模の「ゲノム」分析が完了

GMI・朝鮮日報「アジアン・ゲノム・ロード・プロジェクト」

韓国人10人を対象に研究

 ソウル大学医学部の遺伝体医学研究所(Genomic Medicine Institute=GMI、所長:ソ・ジョンソン教授)は、韓国人男女各5人ずつ、計10人のゲノム分析を完了したことを25日、発表した。これは、今まで世界で行われたゲノム分析でも最大規模となる。2003年以降、米国など先進国を中心に各国が競い合ってゲノム分析を進めているが、どの研究も分析対象が一人のため、研究結果を標準化するには無理があった。

 GMIが今回、大規模なゲノム分析に成功したことで、韓国人の遺伝的特性に合わせた医学的研究や難治性遺伝疾患の治療に画期的な転機が訪れるものと思われる。また、韓国人の韓半島(朝鮮半島)伝来経路に関する研究にも急速な進展が期待される。

 今回のゲノム分析は、今年初めに発足したGMIと朝鮮日報の共同プロジェクト「アジアン・ゲノム・ロード」の一環として実施された。アジアン・ゲノム・ロードは、アジア9カ国の男女のゲノムを分析することにより、アジア系人類の移動経路や文化人類学的な変遷過程を確認し、将来的には、アジア人の特徴に合わせた医学の時代を切り開くことを目的とする、世界初の国際科学技術プロジェクトだ。プロジェクトチームは1年間にトルコ・カザフスタン・ベトナムなど9カ国、計918人のゲノムを抽出・分析することになる。これに先立ち、GMIと朝鮮日報は24日、朝鮮日報本社でアジアン・ゲノム・ロード共同遂行のための相互了解覚書(MOU)を締結した。

趙虎鎮(チョ・ホジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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