東京でCO2排出量取引始まる

企業など1400カ所で義務化

 日本の大手デパート高島屋は2012年までの3年間で、全国18店舗の照明15万個を現在のハロゲンランプから発光ダイオード(LED)にすべて換える。発熱と電気使用量を減らすためだ。所要費用は18億円。しかし、電気料金を70%削減でき、二酸化炭素(CO2)排出量を7%減らせる。これを考慮に入れた節約効果は、年間5億円前後になるとみている。

 半導体材料で世界シェア1位の日立化成工業は、社内12部門と子会社9社に対し、今年からCO2排出量削減の目標値を割り当て、来年からその結果を実績評価に反映させることにした。

 人口1300万人余りの東京都は、今年4月1日から年間1500トン(原油換算基準)以上のエネルギーを使用する企業・ビル・大学など1400カ所に対し、CO2排出削減目標を義務化する制度を導入する。欧州や米国西部の一部地域などではすでに施行されているが、アジア圏では初めてとなる。

 義務化の対象となった場合、最近3年間の平均排出量比6-8%を削減することが義務付けられ、1年後に東京都が指定した第三者の検証機関から認証書を受けなければならない。目標を達成できない会社は自然エネルギーを買うか、CO2排出認証書の目標値を達成した企業から剰余分を買う必要がある。いわゆる「炭素排出権取引」だ。これをできない会社は、30%を罰金のかたちで科せられる。

 5年後の2015年には東京都が会社別に実績を発表し、排出量を強制的に買い取らせた後、その費用を税金のかたちで請求する。現在のところ、CO2排出量1トン当たり1万5000円ほどになると予想されている。その後は、さらに強化された基準が適用される。「環境イコール金」の時代が始まっているわけだ。

 企業の対応策はさまざまだ。森ビルは昨年7月、70人からなる対策チームを結成、東京都内14カ所の事業所を点検し、照明器具、エアコンを交換した。東京駅前の丸ビルは、ビル運営に必要な全エネルギー(原油換算2万トン)を、東京から北に700キロ離れた青森県で生産された風力電気から、東京電力の電送網を通じて充当することにした。

 東京都は、今回の義務削減制度が定着段階に入る2015年には、10億キロワットのクリーンエネルギー認証書が必要になると見込んでいる。金に換算すると100億円ほどになり、これは幾何級数的に増えるものと予想されている。

 日本でCO2排出削減の義務化と排出量取引制度は、東京都に次いで埼玉県が来年からの開始を決定するなど、地方自治体から急速に広がっている。滋賀県では、山林管理者が山林保護を支援する企業に対し、「山林証書」を発行する事例もある。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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