トヨタのリコール問題から学ぶ韓国企業(下)
LG、サムスンもリスク管理に専念
サムスングループも基本に立ち返ろうと取り組んでいる。今年1月に米国ラスベガスで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES、米国の家電見本市)に出席した李健煕(イ・ゴンヒ)前会長は、「わずか10年前のサムスンは、今の5分の1程度の規模しかなかった。少しでも気を抜けば、また当初の小さな企業に舞い戻ることになる」と述べた。サムスンのある役員は、「この発言が出たのは、トヨタによる大量リコール問題が浮上したころだ。サムスン内部では、“基本に立ち返れば一気に崩壊することはない”という危機意識を持ってリスク管理に力を入れている」と述べた。
このような流れに沿ってサムスンは、今年2月24日の水曜社長団会議で、「レピュテーション・リスク(悪い評判が広まって信頼を失うリスク)」についての講座を開催した。サムスンの関係者は、「トヨタ問題はシステムの問題というよりも、品質の欠陥をユーザーに隠してきたことが原因で発生した。このような判断の下に、この講座は経営トップを対象に行った」と語る。その主な内容は、「トヨタ問題を反面教師として、製品の品質に関連する問題が起こった場合には、顧客に直ちに事実を知らせ、会社も問題解決に早急に取り組む努力を行わなければならない」というものだった。
ポスコの鄭俊陽(チョン・ジュンヤン)会長も、最近社内で行われた経営会議でトヨタ問題を取り上げ、「クレームゼロ」経営を幹部たちに改めて訴えた。鄭会長は「顧客からクレームがあった場合、まずはすべてを受け入れて解決策を探さねばならない。たとえ顧客の言い分が間違っていたとしても、常に正しいと考える姿勢が大切だ」と強調した。さらに「(われわれができる最善の策は)顧客に品質の良い製品を届け続けることだ」と述べた。
漢陽大学経営学科の洪性泰(ホン・ソンテ)教授は、「トヨタ問題は、ブランドイメージが一瞬にして崩壊することもあり得るという事実を示してくれた。短期的には負担になったとしても、リコールを通じて消費者の信頼を失わないようにする方がプラスになる。こうした“トヨタ学習効果”が各企業に広まっているようだ」と述べた。
キム・ヒョンジン記者
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