トヨタのリコール問題から学ぶ韓国企業(上)

LG、サムスンもリスク管理に専念

 「トヨタ自動車のリコール問題を反面教師とせよ」

 LGグループの具本茂(ク・ボンム)会長は、今年3月にソウル・汝矣島のLGツインタワービルで行われた役員対象のセミナーで、最近のトヨタ自動車による大規模リコール問題に言及した。主要な子会社のトップや役員ら300人以上が出席したこのセミナーで、具会長は「品質、納期、使用経験などの本質的な顧客価値は、いかなる瞬間においても妥協してはならない。これは、顧客との絶対的な約束だ。基本に忠実にならなければ、顧客からの信頼を維持し続けることはできない」と強調した。

 大規模リコールに苦しむトヨタの失敗を繰り返さないためには、品質管理や消費者からのクレーム対応など、基本をしっかりと身に付け、心構えることを改めて強調したのだ。

 LG内部では、「靴ひもをもう一度締め直そう」という雰囲気が高まっている。LG電子の関係者は、「品質管理制度や顧客からのクレーム管理システムは以前から存在するが、先日のトヨタ問題でなお一層の危機感が高まり、リスク管理にも神経を使うべきという雰囲気になっている」と述べた。

 その代表的な事例が、LG電子が積極的に取り組んでいる「安全使用キャンペーン」だ。LG電子は今年2月末に韓国で、2003年8月から昨年10月までの間に製造されたドラム洗濯機の10キロ、12キロ・モデルに対して、自発的なリコールを行った。リコールの対象となったのはおよそ105万台。小学生がドラム洗濯機に入って窒息死するという事故が相次いだのがその理由だ。さらに、「リコールよりも根本的な対策を立てるべき」という指摘も相次いだことから、今年3月からは子供たちを対象に、安全に家電製品を使う要領を知ってもらうためのキャンペーンも実施している。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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