有効打で圧倒！下田がタイトル奪取…東洋太平洋Ｓバンタム

　◆ボクシング　東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ　○下田昭文（判定　３―０）大橋弘政●（２８日・名古屋国際会議場）　東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチが行われ、ＷＢＣ世界同級７位、ＷＢＡ世界同級１３位の挑戦者・下田昭文（２５）＝帝拳＝が、ＷＢＣ世界同級１３位の王者・大橋弘政（３０）＝ＨＥＩＷＡ＝を激闘の末に３―０の判定で下して王座奪取。０８年１０月に日本同級王座を失って以来の戴冠を果たした。下田の戦績は２１勝（１０ＫＯ）２敗１分け、大橋は２１勝（１５ＫＯ）９敗３分け。

　王者の執念に打ち勝った。下田は３回から足を止め、あえて接近戦を選択。現役１位タイの９連続ＫＯ中のパンチャー、大橋と「キリがない」連打の応酬戦になったが、有効打で圧倒的に上回った。「打たれても冷静に対応できた」。腫れ上がった顔に満足感が漂った。

　挫折を世界への糧にする。日本王座陥落後の再起戦はドロー。米ラスベガスで練習を積み、昨年はメキシコで試合を経験する海外修行で精神的にも大きくなった。この日は下田の実力を認めるＷＢＣ世界バンタム級王者の長谷川穂積（２９）＝真正＝も敵地に駆けつけて応援。ホープと言われ続けた男は「今より上を目指したい」と飛躍の１年にすることを誓っていた。