【コラム】わたしたち韓国人も英雄がほしい(上)

 6・25戦争(朝鮮戦争)の英雄、ペク・ソンヨプ将軍(予備役陸軍大将)を名誉元帥に推挙しようとする国防部の計画が頓挫している。一部では、既に白紙化されたという話もある。これは、軍の人事関連規定を修正しなければならないことに、一部の予備役将校が反発しているためだ。

 国防部は昨年から、6・25戦争60周年を迎える今年中に韓国軍初の名誉元帥を誕生させる方針を推進してきた。当初はペク将軍を元帥に推挙する案を検討していたが、現行法に「戦時に、現役大将を国務会議の議決および国会の同意を経て元帥を任命することができる」との規定があることから、「名誉元帥」に方針を変えたとのことだ。

 ペク将軍が6・25戦争時、「多富洞の戦い」を勝利に導き、危機的な状況にあった韓国を救ったことは広く知られている。ぺク将軍は韓国軍の初の陸軍大将であり、32歳にして最年少の陸軍参謀総長になった。そして、北進時には初めての平壌入りも果たした。

 予備役将軍を中心に、ペク将軍を名誉元帥に推挙しようというムードが一気に高まった。「ペク将軍の戦功を考慮すると、名誉元帥推挙はむしろ遅きに失した感があるほどだ」と言われるほどだった。

 しかし最近になって、国防部は「6・25戦争60周年の記念日までには難しいと思われる」という消極的な態度を示している。

 表向きの理由としては、根拠となる規定を作るのに時間がかかるということだ。元帥に関する規定は軍人事法にあるため、少なくとも大統領令や施行規則に名誉元帥に関する規定を新たに制定しなければならないという。

 だが、「その最大の理由は行政的なものではなく、一部の予備役将校を中心とする反発のせいだ」という話が伝えられている。名誉元帥推挙計画が明らかになって以来、軍の一部元老たちが国防部長官のもとを訪れ、「やめたほうがいい」との意見を出しているため、計画が持ち越されたというのだ。彼らは、「まるでペク将軍が一人で6・25戦争を戦い抜いたかのように言われているが、実際には部下の将兵らによる功績も大きい。それに、失敗やミスもあった」と主張している。また、空軍や海軍でも、「わが軍の英雄を名誉元帥に推挙すべき」と求める可能性があることも考慮したとされる。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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