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オーバーチュア株式会社及びグーグル・インクに対する独占禁止法違反被疑事件の処理について

平成17年10月21日
公正取引委員会

公正取引委員会は,オーバーチュア株式会社(以下「オーバーチュア」という。)及びグーグル・インク(以下「グーグル」という。)に対し,不当に,他のリスティング広告業者と取引しないことを条件としてウェブサイト運営者にリスティング広告(注)を提供することにより,自己の競争者である他のリスティング広告業者の取引の機会を減少させている疑い(独占禁止法第19条(不公正な取引方法第11項[排他条件付取引])の規定に違反する疑い)があったことから,独占禁止法の規定に基づいて審査を行ってきたところ,同法の規定に違反する事実が認められなかったことから,本件審査を終了することとした。

本件の概要は,以下のとおりである。

(注)リスティング広告とは,インターネット上におけるキーワード連動型広告サービスのことをいい,ユーザーが任意のキーワードを入力した検索結果画面等において,当該キーワードと関連性を有する広告を表示するものである。

1本件の概要

(1)リスティング広告市場の概要等について(別紙参照)

オーバーチュア及びグーグルは,我が国において,検索エンジン及びリスティング広告を提供しており,いずれも,リスティング広告の市場における有力な事業者である。リスティング広告は,我が国において,平成14年から開始され,急速に成長しており,今後も拡大が見込まれているサービスである。

オーバーチュア及びグーグルは,広告主が特定のキーワードに対して広告料の入札を行い,入札価格の高さ,その他の要素を考慮するなどして,広告掲載の優先順位を決定している。広告主は,ユーザーがリスティング広告をクリックした回数等に応じてオーバーチュア又はグーグルに対し広告料を支払うこととされている。

オーバーチュア及びグーグルは,それぞれ,ウェブサイト運営者とリスティング広告の提供に関する契約を締結し,ウェブサイト運営者はウェブサイトのユーザーが検索等を行った場合に,オーバーチュア又はグーグルが配信するリスティング広告を画面上に表示している。また,当該契約においては,リスティング広告を表示する画面構成(ページ上の広告の位置,行数等)とともに,オーバーチュア及びグーグルが広告掲載につき一定の対価をウェブサイト運営者に支払う旨が取り決められている。

(2)当委員会による審査の過程において,次のことが判明した。

オーバーチュアは,ウェブサイト運営者との契約書において,ウェブサイト運営者が他のリスティング広告業者の提供する広告を画面上に表示しないよう義務付ける旨の規定を設けている。しかし,ウェブサイト運営者からの申出がある場合には,契約条件について当該ウェブサイト運営者との間で協議を行い,他のリスティング広告業者が提供する広告を表示できるよう合意により契約内容を変更してきている。

グーグルは,ウェブサイト運営者との契約書において,ウェブサイト運営者が他のリスティング広告業者の提供する広告を画面上に表示しないよう義務付ける旨の規定を設けている。しかし,ウェブサイト運営者からの申出がある場合には,契約条件について当該ウェブサイト運営者との間で協議を行い,他のリスティング広告業者が提供する広告を表示できるよう合意により契約内容を変更してきている。

ウェブサイト運営者は,検索等を利用するユーザーの利便性を損なわないよう留意しつつ,広告料収入を最大化するよう広告表示の画面構成を工夫しているところ,多数のリスティング広告を掲載することに積極的な者もあるが,他方,複数のリスティング広告業者からリスティング広告の配信を受けると,検索結果に対して表示される広告の数が多くなり過ぎる,同じ広告主の広告が重複して表示されるなどのデメリットがあるとして,消極的な者もある。

現在までのところ,前記1(2)アからウまでのとおり,オーバーチュア及びグーグルの契約書には,一般に,ウェブサイト運営者が他のリスティング広告業者と取引することを認めない旨の規定が設けられているが,ウェブサイト運営者が他のリスティング広告業者の提供する広告の掲載を望む場合には,オーバーチュア又はグーグルとの協議により,他のリスティング広告業者が提供する広告を表示できるよう契約内容を変更することが可能であり,実際にも,他のリスティング広告業者と取引を行い,その広告を画面上に表示しているウェブサイト運営者も存在することから,当該契約書によって,ウェブサイト運営者と他のリスティング広告業者との取引の機会が減少しているとは認められなかった。

しかしながら,今後,リスティング広告の市場が拡大することが予想されているところ,オーバーチュア及びグーグルの契約書中の前記規定は,その運用いかんによって新規参入者等の他のリスティング広告業者の取引の機会を減少させるおそれがある。

(3)本件について,当委員会が,オーバーチュア及びグーグルに対し,前記1(2)オの問題点について指摘したところ,オーバーチュア及びグーグルは,当該規定の趣旨を,他のリスティング広告業者との取引を一般的に認めないとするものではなく,広告表示の画面構成その他付随する契約条件について事前に協議し合意することを必要とするものである旨,契約書において明確にすることとした。

2公正取引委員会の対応

前記1(2)記載のとおり,オーバーチュア及びグーグルとウェブサイト運営者との契約書については,その運用において,独占禁止法の規定に違反する事実は認められず,また,オーバーチュア及びグーグルが前記1(3)記載の措置を採ることから,当面,独占禁止法上の問題は生じないものと認められると判断し,本件審査を終了することとした。

なお,当委員会としては,今後とも,公正かつ自由な競争の促進の観点から,リスティング広告の市場における競争の状況を見守っていくこととしている。

問い合わせ先 公正取引委員会事務総局審査局特別審査部第一特別審査
電話03−3581−3382(直通)
ホームページ http://www.jftc.go.jp

【附属資料】

別紙43KB

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