探査機「はやぶさ」帰還に向けたイオンエンジンの停止作業が成功し、喜ぶ担当者ら=27日午後、神奈川県相模原市の宇宙航空研究開発機構(代表撮影) 小惑星探査機はやぶさ、地球へ 軌道変更に成功宇宙航空研究開発機構は27日、2005年に小惑星「イトカワ」に着陸した探査機「はやぶさ」が、6月の地球帰還に向けて、地球付近に到達できる見通しになったとして、軌道変更のためのイオンエンジンを停止した。 帰還に向けた作業は大詰めを迎え、今後5回程度の微調整運転を経て、イトカワの砂を収めた可能性のある搭載カプセルをオーストラリアの砂漠に落とし、回収することを目指す。 27日午後3時すぎ、神奈川県相模原市にある宇宙機構の運用管制室から、約2700万キロ離れたはやぶさにエンジン停止の信号を送信。約5分後、正常に止まったことが確認されると、担当者らは笑顔で握手をした。 はやぶさのイオンエンジンはトラブルが相次ぎ、運用の工夫で辛うじてしのいできた。担当の国中均・宇宙機構教授は「宇宙技術という意味では、エンジンによる地球と小惑星の往復を完了し、大満足。よく帰ってきてくれた」とほっとした様子。 イトカワは地球と火星の周辺の楕円軌道を回る長さ約540メートルのいびつな形をした小惑星。はやぶさは、03年5月に打ち上げられ、05年11月にイトカワに着陸。07年に帰還予定だったが、通信途絶などで3年遅れた。 【共同通信】
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