表参道の象徴
今年鎮座90年の明治神宮を歩こう
2010年3月15日
御社殿の左右には大きな楠が。向かって左は“夫婦楠”と呼ばれ、縁結び、夫婦円満などにご利益があるとか。右側には多くの人が祈願した絵馬が並んでいる。この風景を見るだけでも気持ちが変わる。運が良ければ、結婚式の行列を見ることができるかも!
“表参道”とはそもそも街の名前ではない。1920年に明治神宮が創建されたときに、正面の参道として整備された通りが明治神宮の“表参道”であり、それが駅の名称になったのだ。つまり明治神宮無くして、表参道は存在しないのだ。華やかなブランドショップや、おしゃれなカフェの街の印象が強い表参道だが、今回は“表参道”の呼び名の由来となった「明治神宮」にスポットを当ててみたいと思う。
都会の真ん中で、感じることができる大自然
美しく素晴らしい庭園、四季折々の草花
例年日本一の初詣者数を集めることでも有名な「明治神宮」は、明治天皇と昭憲皇太后をお祀りする神社だ。その面積は70万平方メートル。これは東京ドーム約15個分の広さにあたる。今年で90年を迎える「明治神宮」は神宮御鎮座にあたり、全国から献木されたおよそ10万本、延べ11万人の青年ボランティアによって創られた人工の杜。鳥居をくぐり参道を進むと、都会の真ん中にいることを忘れてしまうほどだ。
「明治神宮」ができる前、この土地は荒地だったという。この土地に適応しやすく、林苑を構成したのちは、なるべく人の手による植林や伐採をせず永続的にその林相を保てる“永遠に続く杜”。そんな目標に向かい、当時の名だたる造園技術を持った人々により創られたのが、この神宮の杜なのだ。壮大な杜を創る木々はもちろんのこと、四季折々の草花をその都度楽しむことができる都会のオアシスだ。中でも御苑にある菖蒲田(しょうぶだ)が圧巻。花盛りの6月頃は、実に150種類以上の花菖蒲を拝むことができる。コンクリートのジャングルの中に広がるここは、慌ただしい現代人の心を癒してくれる大切な場所でもある。仕事の合間にリフレッシュするにはまさに絶好の場所だ。
パワースポットとしても大人気
「明治神宮」ならではの「大御心」も注目
テレビで紹介されてからというもの、ブームになった御苑内の“清正井(きよまさのいど)”。都会では非常に珍しい天然の湧水が湧き出るこの井戸は、加藤清正が掘ったと言われている。「明治神宮」の杜を造営当時、すでに横井戸(普通は竪井戸)であることはわかっていたものの、水源はどこなのか?またどのようにして流れてきているのかまったくの不明で、このような特殊な井戸を作ることができるのは、城造りや治水の技術に優れ“土木の神様”の異名をもった清正であろうと言われたため、“清正井”として親しまれて来たようだ。
枯れることのない不思議な湧水はそれだけでも神秘的でパワーを感じる。そんな“清正井”のご利益にあやかろうと連日長蛇の列ができているのは周知の通り。しかし広大な内苑は、歩いているうちに心が落ち着いてくる。あの独特の雰囲気は「明治神宮」ならでは。“清正井”のみならず広大な杜自体もパワースポットと言えよう。そして「明治神宮」に行ったら欠かせないのが、「大御心(おおみごころ)」。
「大御心」は、いわば「明治神宮」のおみくじ。しかしそれは吉凶を占う通常のおみくじとは少々異なる。もともと戦前の「明治神宮」ではおみくじ自体が存在していなかった。戦後、一宗教法人となりおみくじをはじめることになり、その際に「明治神宮」ならではのオリジナリティのあるものを、ということで考案されたのがこの「大御心」。御祭神である明治天皇の御製(ぎょせい=天皇の作られた詩文・和歌)93,032首、昭憲皇太后の御歌(みうた=皇后・皇太后・皇太子などのよまれた和歌)27,825首より、特に人倫道徳の指針となる教訓的なものを15首ずつ、合計30首セレクト。その時々にふさわしい、有り難いお言葉を頂ける仕組みだ。実際に引いてみると、何となく思い当たる節があったりして、心が引き締まりこれもまた、とても大きなパワーをもらえた様な気持ちになれる特別なものだ。
「明治神宮」グルメはバリエーションいろいろ
おみやげ探しや展示物見学も楽しい
広い内苑は歩いているうちにお腹もすいてくる。そんなときに気になるのが「明治神宮」で楽しむことができるグルメ。大鳥居の近くには趣向の違うお食事どころが2カ所。明治記念館のシェフによる料理が楽しめる「レストランよよぎ」は、主菜、副菜、ごはんなど定食系が中心。お値段も少々張るが大人同士ゆっくりと食事をしたいときにどうぞ。「レストランよよぎ」の向かいは、カジュアルなセルフサービス式の食堂。うどんやラーメン、カレーライスなどちょっとした軽食や、今ちょっとしたブームになっている「もんじゃまん」(もんじゃの具が入った肉まん)や「たこ焼き」などのおやつもある。お値段もワンコインからと嬉しい。気軽にすませたい時は、断然こちらをおススメする。また、こちらの食堂の横にはおみやげ屋さんもあるので、「明治神宮」参拝記念に何か購入したい方はこちらも覗いてみると楽しいかも。季節のお菓子や、和小物など外国の方へのお土産にもよさそうな物がずらりと並んでいる。
他にもこの建物の2階には宝物展示室があり、普段はなかなかお目にかかれない展示物を拝観することも可能だ。内苑の北の端には、宝物殿もありこちらも御祭神にゆかりの深い御物、日常ご使用の机、文房具、箪笥など様々な調度品を観る事が出来る。宝物展示室と宝物殿は位置的には離れているが、共通拝観券となっているので、お散歩がてら両方楽しんでみてはいかがだろう。
自然の癒しや、数々の植物、そしてお食事、おみやげ、ちょっとした美術館的要素もある「明治神宮」。ご利益を求めてくるのも良いが、知れば知るほど魅力的なこの場所を今一度ゆっくりと散策してみてはいかがだろう?(2010年3月)
こちらの鳥居をくぐると中は別世界。杜の木々が発するマイナスイオンの効果なのか、歩き進んで行くうちに浄化されていくような気分になれる。
いまやブームとなった“清正井”。連日長蛇の列ができているが、せっかく御苑内に入るのであれば “清正井”だけでなく、菖蒲田や苑内の他の美しい植物も是非お見逃し無く。
鮮やかなツツジは御苑内で観る事が出来る。赤やピンク・白など色も多彩で美しい。写真は御苑の隔雲亭(かくうんてい)前でのショット。ため息がでる美しさだ。「明治神宮」では、一年を通じて他にも様々なお花を楽しむことができる。季節毎に必ず訪れたい場所だ。
「明治神宮」を訪れるたびに引きたい「大御心」。何故だか判らないのだが、その都度探している答えが見つかる気持ちがする、非常に有り難いお言葉だ。立てかけられるフレームがあるので、大切に保管して毎日きちんと心に留めておきたい。
「明治神宮」にはさまざまなお守りがある。そのひとつ“相和守(そうわまもり)”は夫婦円満のお守り。御社殿前の夫婦楠にちなみ、2つで1セットになっている。境内の楠のアロマを染み込ませてあるオシャレなお守り。
こちらの建物が文化館。1階にはレストランよよぎ、食堂、お土産物屋、そして2階には宝物展示室があり、来場者の憩いのスペースとなっている。特に夏は杜が天然のクーラーとなり、涼みながらお茶ができるのも嬉しい。
内苑の北の端にある宝物殿。こちらでは御祭神に縁の深い様々な調度品を拝観可能。由緒ある品々を静かな杜の中でゆっくりどうぞ。
これが空からみた「明治神宮」の一部。写真に写りきらない部分まで広がる広大な杜は、まさに都会のオアシス。街中の喧噪から遮断された特別な聖域だ。
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