
Windows OS 上でメディアファイルを再生する場合、一般的には DirectShow のメカニズムを使用します。
DirectShow には
フィルタ と
ピン いう概念があり、
役割の異なるフィルタ同士をそのフィルタがもつピンで連結して、この間にデータを流すことで、画像や音声を再生します。
データを受信するピンを
入力ピン、データを送信するピンを
出力ピン といいます。
一般的に知られているフォーマットの画像や音声は、Microsoft が
提供してくれているフィルタで事足りるのですが、独自フォーマットの画像や音声を再生したり、特殊な
機能を持たせようとした場合には、このフィルタを自作する必要が出てきます。
しかし、DirectShow のアーキテクチャそのものの理解が DirectShow 初級者には難しく、さらに、
インターネット上のサンプルプログラムは、既存のフィルタを繋げてファイルを再生するものはあっても、
独自のフィルタを作成して、それを繋げて再生するようなものは皆無であるため、DirectShow フィルタ作成
プログラミングの敷居が高くなっています。
そこでここでは、この敷居を低くするために Microsoft の提供する DirectShow の基底クラスライブラリを
使用して、DirectShow フィルタを自作する方法をビルド環境を整えるところから説明します。