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武豊重傷、桜も皐月も絶望／毎日杯

: 車いすに乗り、救急車に運ばれる武豊騎手（撮影・渦原淳）

＜毎日杯＞◇２７日＝阪神◇Ｇ３◇芝１８００メートル◇３歳◇出走１１頭

　武豊騎手（４１）の桜花賞と皐月賞騎乗が絶望となった。騎乗したザタイキが最後の直線で左前脚を開放骨折して転倒。落馬負傷して近隣の病院に搬送され、左鎖骨遠位端骨折、腰椎（ようつい）横突起骨折などの重傷と診断された。桜はアプリコットフィズ、皐月はヴィクトワールピサと有力馬がそろっていたが、乗り替わりとなる。レースは３番人気ダノンシャンティ（牡３、栗東・松田国）が直線抜け出し重賞初制覇を果たし、皐月賞をパスして５月９日東京のＮＨＫマイルＣ（Ｇ１、芝１６００メートル）へ直行する。

　場内が騒然となった。直線残り２００メートル地点で好位にいたザタイキが突然前につんのめる形で転倒。落馬した武はターフに投げ出され、横向きに芝の上を転がった。すぐに救急車で競馬場内の診療所に運ばれて治療が施された。１１、１２Ｒをキャンセル。２８日は高松宮記念でスズカコーズウェイに乗る予定だったが、９クラすべて乗り替わり。馬は左前脚（中手骨）開放骨折で安楽死となった。

　レースから３０分以上たった午後４時１０分ごろ、武は浴衣を羽織り、診療所から車いすで現れた。意識ははっきりとしていたが、顔色は青ざめて痛々しい。ザタイキを管理する藤原英師や、同じレースにルーラーシップを出走させていた角居師が悲痛な表情で見守る中、救急車で近隣の病院へ搬送された。診断は左鎖骨遠位端骨折、腰椎横突起骨折の重傷で、右前腕裂創、頭部と腰部打撲傷も負った。

　全治は発表されていないが、４月１１日に迫った桜花賞のアプリコットフィズ、同１８日皐月賞のヴィクトワールピサの騎乗は絶望。その後のＧ１戦線も微妙な情勢だ。

　武は０８年１１月２３日の落馬で右腕尺骨骨幹部を骨折した際、２８日後の朝日杯ＦＳに騎乗、驚異の回復力を見せた。１日も早い復帰が待たれる。

　［2010年3月28日13時43分　紙面から］