スリランカ : 病院に対するクラスター爆弾使用は卑劣な行為

アムネスティ・インターナショナルは、報告されているスリランカ軍による民間区域でのクラスター爆弾使用を、国際人道法の重大な違反として非難した。

国連報道官によると、プトゥクディイルップ市内の大きな病院が、クラスター爆弾によって攻撃され、避難を余儀なくされたという。ここ数日のあいだ度重なる攻撃にさらされていたこの病院は、16時間にわたって砲撃を受けた。

「このような状況のクラスター爆弾の使用は戦争犯罪にあたる」と、アムネスティのアジア太平洋部長サム・ザリフィは述べた。「これらの爆弾は、飛散した無数の小型爆弾が広大な地域を覆い、民間人を含め小型爆弾に接触するすべての人を危険にさらすため、本質的に無差別的である。クラスター爆弾は、クラスター爆弾禁止条約によって禁止されている」

「この紛争において、いずれの当事者も国際人道法の重大な違反について説明責任を果たしていない。スリランカ政府は戦争犯罪を調査し、十分な証拠があるときはいつでも、被疑者を訴追する義務を負っている」と、サム・ザリフィは述べた。

背景情報:
2008年のクラスター爆弾禁止条約に沿って、アムネスティ・インターナショナルはクラスター爆弾の使用、移転、貯蔵に反対し、すべての政府に条約の批准を求めている。スリランカは条約の締約国ではない。

クラスター爆弾は多くの小型爆弾あるいは子爆発体を、サッカー競技場1〜2面分ほどの広範な地域に撒き散らすのが特徴である。爆弾は飛行機によって投下されたり、あるいは大砲やロケット弾発射装置によって発射される。使用される子爆発体の種類によるが、小型爆弾の5〜20%が爆発しない。それらは戦争の置き土産の爆発物として残り、民間人を対人地雷と似た危険にさらす。これらの爆弾を民間人が密集している地域で使用することは、無差別攻撃の禁止に違反する。

また、クラスター爆弾による爆弾の破片は、紛争後の復興と再建を妨げ、クラスター爆弾撤去という危険な作業が、緊急人道支援に使用できるはずの資金を吸い取ってしまう。

タミール・イーラム解放の虎(LTTE)とスリランカ軍との間の戦闘が激化する中、30万人以上の民間人がスリランカ北東部に閉じこめられた状態になっている。ワンニ地域では数百人が死傷した。最近の報告によると、民間人を標的とし、民間人が安全のために避難することを妨害するなど、紛争の両当事者が戦時国際法違反を犯していると思われる。

アムネスティ発表国際ニュース
2009年2月4日

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