中国製冷凍ギョーザ事件の容疑者が逮捕されたようである。さっそく岡田外務大臣が中国に対して謝辞を述べているが、これは外交儀礼の一種なので仕方がないことだろう。しかし、謝辞と並行して日本から中国に対して色々と今回の事件について再捜査或いは合同捜査をするべきことが多いように感じる。最悪なのはこの種の事件が繰り返されることなので、再発防止という意味で是非綿密に検証するべきだと思ふ。 今回の事件の流れを振り返るとこんな感じである。 2007年12月28日 千葉市稲毛区で中国製冷凍ギョーザを食べた2人おう吐。1名入院。(2007年10月20日天洋食品で製造) まず第一に、日本と中国のメタミドホスの混入場所についての見解の相違について検証するべきだろう。 日本の捜査当局は、「密閉されていた袋の内側からメタミドホスが検出されたため、中国での製造過程での混入」と推定し、「千葉と兵庫の別ルートで輸送されていることから、流通過程で混入されたとは考えにくい。」という見解であったが、中国の公安当局は「製造工程はカメラで監視しており、製造工程で混入をするのは不可能」「従業員55人を捜査したが、メタミドホスを入手出来る人物はいなかった。」「従業員55人の捜査をしたが、会社側との軋轢のある人物はいなかった。」と断じて、真っ向からメタミドホスの混入は中国国内ではあり得ないという見解を示した。 この中国の見解は犯人逮捕によって錯誤であったことが明白になったが、中国側の間違いがどうして生じたのか少なくとも次の三点のチェックは確実に行うべきだろう。 実況見分で被疑者に犯行を再現させ、その手法が製造工程をチェックしている監視カメラの死角になるかどうかの検証。 従業員が誰もメタミドホスを入手出来ないという捜査報告書の検証。 従業員に会社と軋轢のある人物はいなかったという捜査報告書の検証。 第二に、メタミドホスの純度についての検証である。 日本の捜査当局は「日本国内で入手可能なメタミドホスは高純度のものであるが、事件で検出されたものは不純物が多く、中国で流通していた農薬用と考えられる。」としたが、中国の公安当局は、「日本で検出した不純物は世界の製品に広く含まれる物質で、必ずしも中国での混入の根拠にならない。」と真っ向から対立した。 これは微量不純物分析に関する技術力の差であるかもしれないので、お互いに分析データを持ち寄り、不純物の分析手法と分析結果について日中公安当局で技術的な検証が必要だろう。場合によっては日本側から中国の公安当局に微量分析技術のノウハウを提供してもいいかもしれない。 第三に袋の浸透実験に関する検証である。 日本の捜査当局は「実際に検出された100倍の濃度のメタミドホスを袋にかけたが、内部に浸透することはなかった。」と結論づけたが、中国の公安当局は「保管・輸送・販売時と同じ条件で袋に色々な濃度のメタミドホスを噴霧したところ、62のサンプルのうち87%に外部から内部にメタミドホスが浸透した。」としている。 実験結果がこれだけ異なる、というより正反対の結果が生じたのは看過出来ない。これは実験の手法に疑問が残る。日本と中国がお互いの実験手法を公開し検証する必要があるだろう。 第四に袋についての検証である。 日本の捜査当局は「袋を開けた形跡はない。」と断じたが、中国の公安当局は「日本の業者から提供された袋の検査をしたところ、袋の内側より外側のほうが量が多く、外側から染み込んだ可能性がある。」という結論を出している。 中国の検査結果は検査対象資料が汚染されていたことを伺わせる。中国公安当局の資料の取り扱い方法、資料の保管方法を検証するべきだろう。 素人考えだが、少なくとも以上の検証が終わるまでは、安易に謝辞を述べるべきではないだろう、と思ふ。 「中国の努力に感謝」ギョーザ事件で外相 |
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おはようございます。 |
島谷 2010/03/28 09:18 |
おはようございます。 |
あど 2010/03/28 09:39 |
■中国製ギョーザ中毒:中国人逮捕 中国、にじむ対日配慮 首相相互訪問にらみ−無礼千万!何をいまさら!!対日戦略の変更か?それとも・・・・?? |
yutakarlson 2010/03/28 09:44 |
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