1回、オーレドンの右ストレートを浴びる黒木健孝(右)
「WBC世界ミニマム級タイトルマッチ」(27日、有明コロシアム)
挑戦者・黒木健孝(28)=ヤマグチ土浦=が無敗王者シッサマーチャイ(タイ)を苦しめた。“土浦の孫悟空”の異名通り、変則打法を駆使して前に出た。王者もしたたかで、的確なカウンターを痛撃された。8回までの公開採点は、2人が5、1人が4ポイント差と劣勢に追い込まれた。
だが、ここから逆襲。11回には返しの右フックでダウンを奪った。最後は2人が1、1人が2ポイント差で無情の判定負け。終盤に攻め切れなかった悔しさもあり「惜しくても負けは負け。心のゆとりがなかった」と、激闘を振り返った。
デビュー10年目の世界初挑戦。ハードルは高かったが、勇気と闘争心では負けなかった。7人兄妹の四男で、長崎から一家が駆けつけて応援。「本当にスイマセンですね」と、目頭を熱くした。
(2010年3月27日)