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真央 気迫の逆転V!ソチへ第一歩
逆転優勝を果たし、金メダルを手に笑顔の浅田真央
Photo By 共同 |
フィギュアスケートの世界選手権最終日は27日、イタリアのトリノで女子フリーが行われ、バンクーバー五輪銀メダルの浅田真央(19=中京大)は129・50点をマークして合計197・58点でSP2位から逆転。08年大会以来2年ぶり、日本人としては初めて2度目の優勝を達成した。五輪金メダルのキム・ヨナ(19=韓国)は合計190・79点で銀メダル。ライバルにリベンジを果たして今季を締めくくり、14年ソチ五輪へ向けてスタートを切った。
自信に満ちた表情でフィニッシュすると、浅田は両手を交差させて喜びを表した。冒頭のトリプルアクセルでしっかり着氷。続くトリプルアクセル―2回転トーループでは大技が回転不足となったものの、五輪で失敗した後半の3連続ジャンプ、3回転トーループを決めるなど他はほぼ完ぺきにまとめた。SP2位から逆転優勝。何よりも欲しかった金メダルが浅田の胸で輝いた。
「自分の中ではほぼパーフェクトにできたので、今はうれしい気持ちです。前半はジャンプに集中し、後半は力強さをステップに込めるようにした」
すべてを懸けたバンクーバー五輪とはコンディションに雲泥の差があった。「五輪を一番の目標として頑張ってきた。終わって安心した」。帰国後、初の夢舞台を終えて経験したことのない達成感と疲労に襲われた。だが、わずか1日のオフの後、すぐ氷に乗った。演技時間を想定して日本の深夜にトレーニングするなど可能な限りの準備をしてきた。練習できたのはわずか1週間というライバルキム・ヨナとは対照的。晴らしたい思いがあったから練習は怠らなかった。「銀メダルはいつも見えるところに置いてます。悔しさを忘れないように」。家で銀の輝きを見るたびに、闘争心がかき立てられた。
キム・ヨナは今季終了後にプロ転向を視野に入れており、最後の直接対決になる可能性もある今大会できっちり借りを返した。銀色の悔し涙を流したバンクーバーから1カ月。大技の不調によるスランプから始まった五輪シーズンを、一番輝くメダルで締めくくった。「五輪よりもいい演技ができた。全部出し切った。やりきったって気持ちです。今シーズンは長かったです」。涙はない。最高の笑みとともに、浅田が14年ソチ五輪への第一歩を力強く踏み出した。
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