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「北攻撃」ではなく機雷接触、内部事故説が有力に 韓国艦沈没

3月27日20時0分配信 産経新聞

「北攻撃」ではなく機雷接触、内部事故説が有力に 韓国艦沈没
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(写真:産経新聞)
 【ソウル=黒田勝弘】黄海上の南北境界線近くで韓国海軍の哨戒艦が沈没した“事故”は依然、原因が明らかでなくナゾに包まれている。しかし最も関心が集まったミサイルや魚雷など「北朝鮮による攻撃」の可能性は弱まっている。浮遊機雷に接触したか、艦の弾薬爆発や機関故障など内部事故説が有力になりつつある。

  [フォト] 事故現場への船を待つ悲しみの家族

 沈没したのは1200トン級の比較的大型の哨戒艦「天安」(1989年就役、乗員104人)。46人行方不明、58人救助は韓国海軍にとっては史上最悪の事態だ。韓国軍は潜水部隊なども動員し捜索活動を続けているが、現場は水深20〜30メートルほどでそれほど深くはない。ただ、艦は全長90メートルもあり引き揚げには時間がかかるため、原因究明は難航しそうだ。

 韓国と北朝鮮の海上の南北軍事境界線になっている付近海域は“海の火薬庫”として知られる。これまでしばしば南北の艦艇による軍事衝突が起きている。このため今回も、夜間に大型艦が突然、爆発・沈没したことから「北による攻撃か?」と内外を緊張させた。

 しかしその後、軍当局は当時のレーダー監視や各種交信情報などから北朝鮮による軍事行動を示す情報はなく、事後にも北朝鮮側に目立った動きは見られないとし、北攻撃説には否定的だ。在韓米軍も特別な対応をしていない。

 沈没現場は南北境界線からは比較的離れている。北朝鮮領からのミサイルや砲撃などの標的にはなりにくい位置だ。あえて北の攻撃と考えた場合、境界線を越境した潜水艦による海中での魚雷攻撃がある。しかし北朝鮮専門家たちは「海軍力で劣勢の北朝鮮には現在、韓国に対しそうした大胆な軍事攻撃を加えるほどの意図や動機は見あたらない」としている。

 このため“事故”説が強まっているが、これまでの情報では艦後部で爆発が起き、停電となり、艦底から浸水し船尾が沈没し始めたとなっている。

 1200トン級の軍艦の沈没には相当の爆発力が必要だ。そのため南北双方が海上に設置している機雷の一部が流出し艦に接触した可能性や、艦装備の爆雷など艦内爆薬の誤爆説が出ている。また機関故障で発生したガスなどによる爆発事故の可能性も指摘されている。

 韓国海軍は近年、新造艦の配備や装備の改善など兵力拡充が続いている。その結果、兵力・装備では北朝鮮を上回りつつあるが、急速な拡充で訓練や運用などの面に問題があるとの声も聞かれる。

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最終更新:3月27日22時25分

産経新聞

 

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