初音ミクや巡音ルカなどVOCALOID(ボカロ)キャラクターの大きなステッカーを張った“痛タクシー”が、宮城県白石市で4月30日までの期間限定で営業している。
市内のタクシー会社に務める田中健一さんが約4万円の自費を投じ、営業車1台をボカロ仕様に変身させた。車のナンバーをわざわざ「3939」(ミクミク)に変えたというこだわりっぷりだ。
「ボカロ厨&ニコ厨」という田中さんに、痛タクシーを作った経緯や客の反応などを聞いてみた。
●ボカロ曲流しながら営業
白いセダンタイプの車体で、側面に初音ミクと巡音ルカ、後ろに鏡音リン・レンの大きなステッカーを張っている。駅のタクシー乗り場などでかなり目立そうなデザインだ。車内には「ねんどろいど」フィギュアなどボカログッズを並べ、ボカロ曲のCDをかけながら営業している。
乗務員歴19年の田中さんは、初音ミク、鏡音リン・レン、巡音ルカのソフトを持っており、ニコニコ動画は毎日2時間チェックするというほど、「ボカロ厨&ニコ厨」。ボカロタクシーを作った理由は、もちろん「ボカロシリーズが大好き」だからで、「営業収入をアップさせようとは一切思っていない」と断言する。
クリプトン・フューチャー・メディアは「ファン活動と切り分けが難しい、ボカロキャラの商用利用」について個別に判断しており、今回は「営業・広告・宣伝活動は無し」「4月30日まで」の条件付きで許可した。ボカロタクシーは昨年12月から走っている。
ボカロを知っている客は大喜びで写真を撮っていくという。一方、知らない人にとっては「多少派手なタクシーくらいにしか見えないようです」と田中さん。車の後ろの棚に並べられたボカログッズを見て、後続車のドライバーが驚いていることもあるそうだ。
●戦国BASARAタクシーも
田中さんが“痛タクシー”を走らせるのは、実は今回が初めてではない。昨年5月から10月末までは、「戦国BASARA」に登場する武将・片倉小十郎のイラストを車体にデザインしていた。
白石市は片倉小十郎のおひざ元。BASARA人気で観光客が訪れるようになったため、BASARA好きだった田中さんが白石市などに、タクシーと市民バスのラッピングを提案し、どちらも実現した。田中さんが運転したタクシー内にはBASARAグッズが所狭しと並び、「すごいことになっていた」と振り返る。
今後も著作権がクリアできれば、ボカロシリーズのみならず、タクシーの痛車を続けていきたいと意気込んでいる。「広告媒体としてタクシーの痛車化を提案できれば」と新たな夢も描いている。
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ITmedia ニュース
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