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朝青龍はもはや過去の人 新たな“白把時代”到来の予感

2010年03月27日17時00分 / 提供:ZAKZAK(夕刊フジ)

ZAKZAK(夕刊フジ)
朝青龍はもはや過去の人 新たな“白把時代”到来の予感
ファンの人気も白鵬、把瑠都に集中。“白把時代”到来へ

 朝青龍の引退禍は想定以下。大詰めを迎えた土俵上と同じように地方巡業を管轄する巡業部でも、半年後の秋巡業の売り込み、調整が佳境に入っている。相手は海千山千の勧進元(興業師ら)。朝青龍という大きな目玉が欠けた直後だけに、さまざまな注文や値引きの要求がつきものだが、不思議なことに今回に限っては皆無に近い。

「それだけ協会だけでなく、勧進元もあの横綱には手を焼いていたってことですよ。みんな、いなくなって清々しているんじゃないですか。稽古はやらない癖にわがまま放題。横綱大関は巡業関係者と記念撮影に応じるのが決まりなんですが、ちょっとでも手間取ると、撮影途中でもプイって横向いて帰ってしまっていたんですから。あるときなんか、移動にヘリコプターを呼べって駄々をこねたこともありました」と巡業部の峰崎親方(元幕内三杉磯)は打ち明ける。

 そういえば、朝青龍引退のあおりで閑古鳥が鳴くのでは、と心配された観客の入りもまずまず。最終的には、去年よりも1回減の8回の大入りとなる見込みで、「不景気を考慮すると、このぐらいの減は許容範囲内。むしろよく入ったといっていい」と協会関係者。

 朝青龍の抜けた穴を埋めたのは2場所ぶり、13度目の優勝が目前に迫ってきた1人横綱の白鵬と、大関昇進が決定的な把瑠都。白鵬の対抗馬がいなくなって優勝争いがシラけてしまうのではないかと心配されたが、エストニアの怪人が目を覚まし、優勝争いは大いに盛り上がった。まさに家貧しくして孝子出ず。白青時代に代わる新たな“白把時代”の始まりだ。

 朝青龍は今月11日にモンゴルに帰国して記者会見を開いて以降、消息不明のまま。すっかり過去の人となり、もはや大阪では朝青龍の「あ」の字も聞こえない。

(大見信昭)


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