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興毅「これは戦争や、殺したる」

 ポンサクレックのKO宣言を一蹴した亀田興毅=後楽園ホール(撮影・三好信也)
 ポンサクレックのKO宣言を一蹴した亀田興毅=後楽園ホール(撮影・三好信也)

 「WBC世界フライ級王座統一選」(27日、有明コロシアム)

 正規王者・亀田興毅(亀田)と、暫定王者ポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)が激しい舌戦を繰り広げた。24日、東京都内で予備検診が行われ、先に検診を受けた興毅が「殺したる!」と過激発言で挑発。ポンサクレックも「スポーツマンシップにのっとれ!!」などとこき下ろした。検診は時間差で行われたため、両者が対面することはなかったものの、両王者が早くもヒートアップした。

  ◇  ◇

 興毅が“戦闘モード”に突入した。検診後の会見では、帽子をかぶり、マスクで顔の半分を覆った。そのすき間から、威嚇するように鋭い視線を投げかけた。「これは戦争やで。殺したる!優しい気持ちでいたら、一生オレに勝てんよ」。殺気立った表情で感情をむき出しにした。

 怒りの要因は、前日のポンサクレックの発言にある。公開練習で、興毅を「行儀が悪い」とぶった切り、KO勝利を宣言した。これに対して、興毅は「KOできるもんならやってみろ!!レベルがちゃうよ」と切り返し、「礼儀を教えるなら、ボクシングを教えてくれ。ボクシングで戦うんやから」と応戦した。

 約40分後、検診を終えて会見に臨んだポンサクレックも負けてはいなかった。「どちらが強いか楽しみ。だが、ひきょうな手で勝つのは、女の腐ったヤツだ。自分はスポーツマンシップにのっとって戦う。カメダもスポーツマンシップにのっとって戦ってほしい」と、ぶった切った。

 ポンサクレックによると、6年前の04年2月にタイで興毅とスパーリングを行った時、リングマナーが悪かったという。「あちらからスパーリングを申し込んできたのに礼儀がなかった。彼がタイの若者だったら殴っていたところだ」。ピアラット・マネジャーも「正々堂々と戦ってほしい」と訴えた。

 亀田ジムの申し出により、予備検診での両者の対面はなかった。「別に、(26日の)計量で顔を合わすんやから今日はええやろ」と受け流した興毅に対して、ポンサクレックは「向こうが会いたがらなかった。僕は会いたかったけどね」と不敵な笑みを浮かべた。敵の顔を見ずして繰り広げられた激しい舌戦。26日の調印式で6年ぶりに両者が対面し、舌戦の第2ラウンドが繰り広げられる。

(2010年3月26日)
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