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『自衛隊のイラク派兵―隊友よ、殺すな、殺されるな!』の内容は
大体察しがつきました。残念ながら、早急に読まなければならない
本であるという認識は持てませんでした。
私は決して全く無知なままここに来ているのではありません。自衛隊
の内部資料を熟読して、その上で質問しているのです。当然数値も持ち
合わせておりますし、自殺原因の統計資料もあります。部内資料です
ので詳細はここには書けませんけどね。私が疑問に思ったのは、これら
自衛隊内部資料とは異なる主張が小西氏から繰り返されていることに
純粋に興味を持ったからです。答えを手にしながら人に質問するのは
いささか卑怯だったかも知れませんけどね。
素人と言えばご立腹されるでしょうが、小西氏をはじめ、貴方達が持ち
得る資料は、残念ながらその域を出ないようです。無論、毎日隊員と接し、
各班小隊長及び先任クラスとの会同を重ねても、一歩引いた部外の立場の
方がより新鮮な切り口から物事を見ることができる場合もあるでしょう。
また、ホットラインにそっと相談を寄せる隊員からの経験も加味されるの
でしょう。
しかし、これまでのどなたの書き込みにも、資料として採用し得るものは
出てきませんでした。中には「仮説」を味わえだの、食事や音楽と一緒だの
というおおよそ科学的ではない摩訶不思議なことを述べる外野まで現れて、
いささか混乱しましたね。
海外派遣に関係した者に自殺者が出ているのは事実です。一方で、その数を
はるかに凌ぐ数の、他の理由によると思われる自殺者がいます。
前者はセンセーショナルで素人受けしそうですが、自衛隊が真に頭を痛めて
いるのは地味な理由の後者なのです。最近身近で起きた後輩の自殺も、「なぜ
そんな理由で命を絶ったんだ?」という些細なものでした。その前の中年の曹
の自殺も「なぜベテランなのに死ぬ必要がある?」というものでした。この
「理由のハッキリしない」ところが昨今の自殺の1つの傾向であり、ごく普通の
者が突然PTSDになる可能性を秘めているのです。
言っておきますが、良心の自由・言論の自由が保障される日本において、自衛隊
の海外派遣を阻止するという政治的目的達成ために、隊員の自殺増加を用いる
手法もありだと思います。むしろどんどんやったら良い。しかし、いざ、批判され
て「根拠は?」と問われたときに、一切客観的な証拠を提示できない、人を説得
できる資料がなく「2千円出して本を読んでくれ」では、貴方達の信用は氷解し、
市民は2度と振り向いてはくれないでしょう。これではあまりにも非効率な政治
運動ですよ。
私は、「同胞である自衛隊員の自殺防止のため」に戦いを継続します。
貴方達は、「政治的目的達成のため」にせいぜい戦って下さい。
では、ごきげんよう。
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