買ったばかりのオーディオから音が出なくなった。ケーブルを換え、配線を確認、スピーカーを点検しても直らなかったため修理に出した▼数日後「不具合はありませんでしたが、念のため部品の一部を交換しました。配線を確認して下さい」と言い添えられ、返ってきた。つなぐと音が出て一件落着。「部品の一部が『不具合』だったのでは」と、原因が使用者側にあるかのような物言いに釈然としなかった▼話題の自動車メーカーも当初、ブレーキの苦情を「感覚の問題」と説明した。それぞれ理屈として間違いはないのかもしれないが、その言い回しに違和感が残る。メーカー側には、もっと顧客の視点で言葉を選んでほしい。【松倉佑輔】
毎日新聞 2010年2月10日 地方版