「このごみの行き場がなくて困っています」と話す長瀬勉さん。ストックヤードには漂着ごみが詰まった袋の山が築かれていた=長崎県対馬市厳原町
対馬市環境衛生課は「漂着ごみを市のごみ焼却場で処分すれば、塩害などで施設が使えなくなる可能性がある」という。08年度に市が国や県の補助を受けて主催した海岸清掃事業では、集めたごみを引き取ったが、北九州市の業者に処理を委託したため、運搬費もかさみ、費用は市内で処理した場合の数十倍になった。「NPOのごみを引き受けても、市単独では負担しきれない」という。
対馬市には10年度、国から廃棄物処理など環境事業のため4億4千万円の「地域グリーンニューディール基金」が交付される予定。環境省廃棄物対策課は「基金を利用してNPOのごみを処分できないか、県や市でよく相談してほしい」としている。(吉田啓)