善通寺市の四国学院大で、来春卒業予定の学生を対象にした就職セミナーがあった。不況で雇用情勢が悪化する中、どの学生も真剣な表情だった▼大阪でフリーターをしていた20年前。無知無教養の身で新聞記者が主役のテレビ番組を見て「これしかない」と勘違い、在阪の新聞社に「記者になりたい」と電話しまくった。どの社も「入社試験を受けて」と判で押したような対応だったが、毎日新聞だけが「そんなに言うなら会ってあげるわ」と。道が開けた▼バブルのどさくさに紛れて……といった感はあるものの、一見無謀とも思える行動や厚かましさが奏功する場合もある。学生だけでなく、就活中の多くの人たち、奇跡を信じて突き進め!【松田学】
毎日新聞 2010年2月17日 地方版