「出産祝い」は初めてなので、何を贈っていいか分からずギフトショップで長考1時間。結局「タオルはたくさんあった方が助かりますよ」という女性店員の勧めで、その詰め合わせと布製のおもちゃに▼20年来の友に初めての子どもが生まれた。女の子。彼は43歳。十数年前に結婚したが「自分の世界を大事にしたい」と、子どもは作らなかった。「正直戸惑ってんねん」と言うものの、やはりうれしそうだ▼彼と同い年ながら“超”個人主義で結婚願望がなく、世の晩婚・非婚化の波にゆうゆうと乗る私。今から結婚して、子育てして……なんて馬力はないが、娘をあやす彼の姿を見たらドラスティックな意識変革が起きそうで、ちょっぴり怖い。【松田学】
毎日新聞 2010年3月2日 地方版