今年度で京都にある母校の小学校が休校、中学校が閉校する。今月下旬に合同で行う式典と同窓会の出欠を問うはがきが来た。親子2代で通ったが、学校再編によるもので「時代の流れ」と割り切っているから特段の感慨はない▼「年度末で忙しいから式典は欠席に○、同窓会も同じく」と、淡々と記入していった。しかし、最後のメッセージを書く欄でペンが止まった。何か書こうとした途端、いろいろな思い出が一気に押し寄せてきた▼「気の利いた一文を」とひねる頭に、同級生や恩師の顔が浮かんでは消える。胸がいっぱいになって考えがまとまらない。う~ん、感傷的になってはいないはずだったが……。返事は、まだ出せずにいる。【松田学】
毎日新聞 2010年3月13日 地方版