肝腫瘍(しゅよう)の手術後、看護師らが適切な処置を怠り、医師が腫瘍再発を見逃したために死に至ったとして、国立病院機構千葉医療センター(千葉市中央区)の女性患者(当時27歳)の遺族が約2億1100万円の損害賠償を求めた訴訟で、千葉地裁は26日、病院側に約7500万円の支払いを命じた。
訴状によると、女性は04年4月に入院し肝切除手術を受けたが、直後に容体が急変し心肺停止状態になり、蘇生措置を受けたが、自力歩行や排せつができなくなるなど後遺症が残った。08年6月に再手術を受けたが09年7月に再発し死亡した。
判決は術後の対応について「患者の意識、呼吸、血圧などに十分な注意を尽くしていたとは認められない」と指摘。「医師らの過失と後遺症には因果関係がある」と結論づけた。しかし、医師の検査が不適切で腫瘍の再発を見過ごしたとする原告側の主張は退けた。【中川聡子】
毎日新聞 2010年3月27日 地方版