2010年1月30日 19時59分
国土交通省は、高速道路無料化の社会実験について、交通量が少ない地方路線の2車線区間を中心に、35区間前後で実施する方針を固めた。全国の高速道路総延長の約5分の1に当たる1500キロ前後が対象となる。前原誠司国交相が2日に発表する予定。
無料化の社会実験は、6月をめどに始める。具体的には、北海道横断道、日本海沿岸東北道、山陰道、東九州道、沖縄道などの一部が無料化の対象となる見込み。昨年3月から土・日・祝日に実施している「上限1000円」の割引制度は、自動料金収受システム(ETC)機器を搭載している車が割引の対象だったが、6月からの無料化はETC機器を搭載していない車も対象になる。
渋滞の悪化を避けるため、首都高速、阪神高速と、大都市間を結ぶ東名高速や名神高速などは除く。フェリーと競合する本州四国連絡高速と東京湾アクアラインも対象外とする。
国交省は10年度予算の概算要求で社会実験の費用6000億円を計上したが、厳しい財政事情から1000億円に圧縮された。このため、無料化の対象区間は限定的なものになる。
一方、同省は10年度に「上限1000円」などの割引制度を全面的に見直し、車種別に上限料金を設ける制度を導入する方針。また、これまで料金割引に使われてきた財源を、高速道路の建設にも使えるようにする法案を通常国会に提出することを検討している。【位川一郎】