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名誉棄損:情報発信者、開示命令 わいせつ無罪医師「ブログで名誉棄損」--大阪地裁

 診療を装ってわいせつ行為をしたとして準強制わいせつ罪に問われ、無罪が確定した福岡市内の男性医師(45)が無罪判決直後に匿名のブログで名誉を傷つけられたとして、インターネット接続業者(プロバイダー)「ケイ・オプティコム」(大阪市)に発信者情報の開示を求めた訴訟の判決が25日、大阪地裁であった。河合裕行裁判長は「実際にわいせつ行為を行っていた印象を与える」として、名誉棄損を認め、発信者の住所、氏名の開示を命じた。

 判決によると、医師は06年、女性患者を写真撮影したなどとして、3件の準強制わいせつ罪に問われ、福岡高裁は昨年5月、無罪とし確定した。高裁判決の当日、ブログに「逆転無罪」の見出しで、新聞報道などを基に実名を挙げ「医療行為と称して、患者の体を触り、写真も撮った」などと書き込まれた。

 業者側は「社会的に知れ渡った情報で、無罪も記載しており、名誉棄損に当たらない」とする発信者の主張に沿って、請求棄却を求めた。しかし、河合裁判長は「全体として原告のわいせつ行為を断定し、他にも行っていたかのような表現と言わざるを得ない。新聞に記載されていたとしても、書き込みに公益目的は認められない」と述べた。【日野行介】

毎日新聞 2010年3月26日 東京朝刊

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