【ソウル西脇真一】韓国西方の黄海で26日夜、韓国海軍の哨戒艦「天安(チョンアン)」(1200トン級、乗員104人)が爆発、沈没した事故で、27日までに乗組員58人が救助されたが、46人が依然として行方不明となっている。韓国軍は現場海域で捜索活動を続ける一方、海底に沈んだ哨戒艦の船体を調査し、爆発の原因が砲弾や燃料など艦内部のものか、外部の衝撃によるものかを特定する方針だ。
「天安」は26日午後9時45分(日本時間同)ごろ、韓国が黄海上の軍事境界線と位置付ける北方限界線(NLL)付近の白●島(ペクリョンド)南西約1.8キロの海上で、船尾のスクリュー付近が爆発、船体に穴が開いて沈没したとみられる。これまでに救助された乗組員58人のうち、13人が負傷している。
青瓦台(大統領府)では27日午前、李明博(イ・ミョンバク)大統領らが安保関係閣僚会議を再び開き、情勢分析にあたった。大統領報道官によると、現在まで北朝鮮軍に特異動向はないとの報告があったという。
北朝鮮は昨年12月、NLLの南側に独自に設定している黄海の海上軍事境界線水域を「平時海上射撃区域」にすると宣言しており、韓国では今回の哨戒艦爆発について北朝鮮による軍事挑発の可能性を指摘する声もある。
一方、ニュース専門テレビYTNは27日、レーダー画像などの分析から当時、現場周辺に北朝鮮の艦艇などはなく、「交戦による沈没ではないとみられる」との青瓦台関係者の話を伝えた。
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毎日新聞 2010年3月27日 13時05分(最終更新 3月27日 13時06分)