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日記

2010.03.23 00:28

番組コーナー

 2010年度政府予算が今週中に成立する運びになりました。これによって鳩山由紀夫首相は背負っていた最も重い荷物の一つを下すことになります。しかし、重荷が消えることはプラスの面ばかりではありません。政治はしばしばそうですが重荷、課題が推進力になるからです。年度内成立が実現すると大きな目標がなくなることも意味します。

 さらに今週は鳩山首相が「3月中には政府の考えを示す」と自ら設定した沖縄の普天間基地移設問題が大詰めを迎えます。23日には関係閣僚を交えて協議も行われる予定ですが、依然として①沖縄の気持ち②連立与党③アメリカ政府―という利害関係3者が丸く収まる案は一向に出てきません。

 一方、民主党内でも生方幸夫副幹事長の“解任問題”が強烈なボディブローとして利き始めているように思えます。生方氏の “解任”によって小沢氏の「政治とカネ」をめぐる問題は、民主党全体の信用問題になったのです。「民主党には言論の自由がない」「国民が求めていた民主党ではない」…。生方氏の要求も受け入れられない、かといって信用失墜はどうしても避けたい。民主党は「進むも地獄、退くも地獄」という状況に追い込まれたのです。

 3月年度末を迎えて民主党は大きな岐路に立たされています。過去の歴史を紐解いても参院選のある年の年度替りには実に多くに政治ドラマが展開されてきました。

 1989年は竹下内閣がリクルート事件と消費税導入で行き詰まり、4月下旬に退陣。最近では2001年の3月に支持率急落の森喜朗首相が退陣を表明、4月に小泉純一郎氏が後継首相に就任しています。なぜこうした退陣劇が起きるのか。それは衆院選挙と異なり、参院選は選挙の時期を選択できないからです。「今の首相じゃ選挙を戦えない」となれば準備期間が設定しやすいのです。

 首相退陣劇ほど大きくなくても参院選前にはいろいろなことが起きるものです。92年の細川護熙氏による日本新党結成、98年の参院選前には「自社さ連立政権」が崩壊しました。「与党効果が支持率に結び付かない」ということで社民党と新党さきがけが連立を離脱したのです。

 自民党の鳩山邦夫元総務相の離党劇も参院選が念頭にあるからにほかなりません。永田町では5月の大型連休明けに向けて何が起きるか分からなのです。それが政治です。

                           * * * 

 

 さて、私が出演しています「総力報道!THE NEWS」は今週の金曜日で放送終了となります。従いましてこのブログも今回をもって最終回とさせていただきます。この1年間に書いたブログが今回を含めて140回になりました。私自身は4月以降、フリーランスとして政治を中心に取材と発信を続けていきたいと考えています。番組の視聴とブログのご愛読を心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

    2010年3月22日   後藤謙次

2010.03.18 23:22

番組コーナー

 鳩山邦夫元総務相の自民党離党劇の余波が収まらないうちに今度は民主党で小沢一郎幹事長の進退をめぐって“春の嵐”吹き荒れました。18日午後、生方幸夫副幹事長が小沢氏の辞任を求めたのです。 

「国民の納得が得られなければ幹事長を辞任すべきだというのが党内のマジョリティー(多数派)だ」

 これに対して小沢氏側近の高嶋良充筆頭副幹事長は生方氏に会い、辞表提出を要求しましたその後の副幹事長会議は一気に生方氏に辞表を求めることで一致。さらに小沢氏もこれを承認したというのが顛末です。まさしく「物言えば唇寒し民主党」と言っていいでしょう。

 当然、民主党の反小沢グループは一斉に反発しました。筋論から言えば、反小沢グループの言い分の方が正しいと思います。逆に小沢氏は強権発動でさらにイメージダウンは避けられないでしょう。しかし、小沢氏を本当に辞任に追い込むという目的からすれば、効果的なものとは言えません。小沢氏にしてみれば、辞任を迫られれば逆に「辞めるに辞められない」ということになるからです。小沢氏が仮に幹事長辞任を考えていたとすれば、それはあくまでも自発的な辞任だったはずに違いありません。

 無論、世論的には益々小沢氏への辞任を求める声が高まるのは必至でしょう。邦夫問題で苦しむ自民党幹部の1人は「自民党のベストの参院選戦略は鳩山・小沢の2トップで選挙をやってもらうことだ」と語っています。

 生方氏の幹事長辞任要求はシンプルなように見えて、実は事態を一層複雑なものにしているのです。(了)

 

2010.03.16 00:03

番組コーナー

 自民党の鳩山邦夫元総務相は15日午後、離党届を提出しました。邦夫氏は14日のテレビ番組で大型連休前にも新党結成に踏み切る考えを示したばかりでだれもが想定外のスピードでした。 それは番組でもお伝えしましたように大島理森幹事長ら執行部の強い意向があったからのようです。

 「新党結成に触れたのだからけじめを付けてもらいたい」

 やむを得ず邦夫氏は離党届を提出したというのが大島幹事長側近の証言です。確かに谷垣禎一総裁にとってピンチであることには違いがありませんが、その邦夫氏の離党に対する評価はまちまちです。「谷垣降ろし」が活発化するとの見方がある一方で「雨降って地固まる」という幹部もいます。それは鳩山由紀夫首相のいわゆる「マザーズマネー」については邦夫氏も多額の贈与を同じ母親から受け取っていて、自民党としては邦夫氏の存在によって「攻めにくい状況」(党幹部)があったことも事実です。それが鳩山氏の離党によって「徹底追及できる環境が整った」(同)というわけです。

 さらに邦夫氏と同調するとみられていた与謝野馨元財務相は、この日は沈黙を守りました。ただし与謝野氏の側近である園田博之氏は幹事長代理の役職辞任を申し出て了承されました。こうした表の動きを見る限り、邦夫氏と与謝野氏らは気脈を通じているように見えますが、ことはそれほど単純ではないようです。

 園田氏に電話を入れてみましたが、園田氏は「今日の動きは鳩山邦夫氏個人の問題だ。しばらくは事態の推移を見守りたい」と当面は動かず、慎重な姿勢を示していました。つまりこの日の邦夫氏の動きは与謝野氏らにとっても想定外の動きだったのです。

 ところで、邦夫氏にとってなぜ与謝野氏と舛添要一元厚労相なのでしょうか。2人はともに邦夫氏にとって古くからの友人なのです。邦夫氏と舛添氏は東大法学部の同級生。一方、与謝野氏は自民党東京都連でほぼ同じ時期に政治家を目指した同志だったのです。今でこそ邦夫氏は福岡県久留米市を中心にした福岡6区で当選していますが、中選挙区時代は旧東京8区(文京、中央、台東)の選出。与謝野氏の旧東京1区(千代田、港、新宿)とは隣同士の選挙で、本当に仲の良い友人だったのです。鳩山由紀夫首相に対して与謝野氏が「平成の脱税王」と厳しく追及した背景には邦夫氏の情報提供があったようです。

 邦夫氏はこの2人を仲介して「坂本竜馬」になると、公言していましたが、問題は与謝野―舛添関係を結ぶ線が見えてきません。「鳩山邦夫離党劇」の先行きは全く見えてこない霧の中です。(了)