アパート火災母子死亡
26日正午頃、金沢市出雲町の鉄骨2階アパート「フラーレン21 C棟」2階の自営業、上寺(うえでら)信一さん(40)方から出火、和室を中心に約30平方メートルを焼いた。室内にいた上寺さんの妻麻美さん(35)と、長女結心(ゆい)ちゃん(生後4か月)の2人が病院に搬送され、まもなく死亡した。金沢西署は、燃え方の激しい和室が出火元とみて出火原因を調べている。
同署と市消防局によると、上寺さん一家は3人暮らしで、上寺さんは当時仕事で外出していた。死亡した2人は、和室の隣の居間の床に、寄り添うように横たわっていたという。現場は、JR金沢駅から西へ約2キロ、会社事務所や住宅、アパートが混在する地区。
近くの会社に勤める川北町橘、橋場真木子さん(44)は「駆けつけたら、窓が割れ、部屋の中は真っ黒だった。窓枠がちらちら燃えていて、窓ガラスが割れる音も聞こえた」と、出火当時の様子を話した。
鎮火直後に部屋に入ったアパート大家の桜井誠一さん(51)は「和室が一番燃えていたようだ。部屋の中は煙とすすで黒く、焦げ臭かった。床は水浸しだった」と、真っ黒になった手をこすりながら話した。
近所の高木工務店社長の高木雅之さん(38)は「私も小さい子どもがいるので、人ごととは思えない」と驚いた表情を浮かべていた。
(2010年3月27日 読売新聞)