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再審請求者に勇気「強力な仲間できた」宇都宮地裁で26日に開かれた足利事件の再審判決公判で、菅家利和さんが無罪を言い渡されたことを受け、長年にわたって菅家さんを支え続けてきた支援者が安堵(あんど)の表情を見せた。また、全国の冤罪(えんざい)被害者や再審を控えている人たちの間に喜びの輪が広がった。 菅家さんを16年間にわたって支援してきた「菅家さんを支える会・栃木」の西巻糸子代表(60)は、裁判所近くで、菅家さんに「良かったね。長かったもんね」と話しかけ、2人は手を強く握り合った。 2人とも幼稚園バスの元運転手で、西巻さんは拘置所で菅家さんと面会して無罪を確信した。1994年から、チラシを配布するなどして、菅家さんの無罪を訴えてきた。西巻さんは「感無量。裁判官に感謝している」と話した。隣で、時折笑顔を見せた菅家さんに「元気に落ち着いて、幸せになってほしい」と話しかけた。 一方、茨城県利根町の「布川事件」で、無罪を主張して再審が決まった桜井昌司さん(63)と杉山卓男さん(63)は、法廷に姿を見せ、菅家さんの無罪判決を喜んだ。桜井さんは、涙ぐむ菅家さんと握手をかわし、「今はゆっくりして。また一緒に頑張ろう」と声をかけた。 杉山さんは、「もう少し、具体的な誤判原因に踏み込んでほしかった」と不満を漏らしたものの、笑顔を浮かべる菅家さんを見て「再審無罪に向けて、強力な仲間ができ、力強く感じる」と笑顔で話した。 午後7時から宇都宮市本町の県総合文化センターで行われた「無罪判決報告集会」には、他の冤罪被害者も訪れた。 富山県氷見市で起きた婦女暴行事件で逮捕され、服役後に再審無罪となった柳原浩さん(42)は「裁判所が頭を下げたことは評価できるが、まだ無罪で苦しんでいる人がいる。そのような人を助けられるように一緒に活動したい」と意気込んだ。 埼玉県狭山市で女子高生が殺害された「狭山事件」で無期懲役が確定し、無実を訴えて再審請求を行っている石川一雄さん(71)は「再審を通し不完全ではあるが誤判の究明を行ったことや、最後に裁判官が深々と頭を下げたことは、冤罪で戦っている人に勇気を与える内容だった」と振り返った。 元死刑囚で初めて再審無罪となった免田栄さん(84)は「自分の無罪確定以来、冤罪被害者の支援をしてきた苦労が報われた。菅家さんには早く地域に溶け込み、幸せに生きてほしい。自分と同じように、支援活動にも尽くしてほしい」と力を込めた。 (2010年3月27日 読売新聞)
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