ホンダが開発したエネポ。カセットボンベ2本で発電する=東京都世田谷区
グリップを片手で引いてエンジンをかける=東京都世田谷区
屋外での使用を想定し、片手で移動できるスタイルを採用した=東京都世田谷区
ホンダは、家庭用カセットボンベから電気をつくるガスパワー発電機「エネポ」を開発し、5月13日から売り出す。コンビニやスーパーで手軽に買えるカセットボンベを燃料としているのが特徴で、オートキャンプなど屋外や非常時に使うことを想定し、使用機器の消費電力に応じ省エネ運転が可能だ。価格は10万4790円(消費税込み)。
2本のカセットボンベを装てん。運転スイッチを入れ、グリップを引きエンジンをスタートさせる。定格出力は900W。カセットボンベ(内容量250g)2本で、最長約2.2時間発電できる。家庭用電源と同じように一般家電から電圧の変動に敏感なコンピューター関連機器など幅広い機器に対応している。折りたたみ式ハンドルと大型キャスターを採用し、キャリーバッグのようにハンドルを片手で引いて運べる。
小型発電機の市場は業務用・個人用合わせて年7〜8万台とされ、そのうちホンダのシェアはトップの4割という。アウトドアや災害時のバックアップとしてのニーズが高く、今回のエネポも、そうした層の取り込みを狙っている。使用機器に合わせ最適なエンジン回転数を自動制御し、低燃費性能を向上。二酸化炭素(CO2)の排出量をガソリンを使う従来機器よりも1割削減した。年間の販売台数目標は9000台。
ホンダ製発電機の歴史は古く、今から半世紀近く前にさかのぼる。創業者の本田宗一郎と親交のあったソニーの井深大社長(当時)から、ソニーが開発したマイクロテレビの電源にふさわしい携帯用発電機の開発を持ちかけられたのがきっかけ。1963年、ホンダは超小型携帯発電機を開発し、65年に初の市販発電機を発売した。以来、ガソリンを燃料とする発電機を中心に開発してきたが、カセットボンベを使う発電機はホンダとしては初めて。(アサヒ・コム編集部)
【エネポEU9iGB】定格出力(交流):100V-900W、全長×全幅×全高:365×262×524mm、重量(乾燥質量):19.5kg、使用燃料:LPG(液化ブタン/指定カセットボンベ)、燃料容量:500g(カセットガス2本分)、連続運転可能時間:約2.2〜約1.1h、希望小売価格:104,790円(消費税込み)