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大輔、SP首位!日本男子初王者へ王手

 男子SPで首位につけた高橋大輔のスピン=トリノ(共同)
 男子SPで首位につけた高橋大輔のスピン=トリノ(共同)

 「フィギュア世界選手権第2日」(24日、トリノ)

 男子ショートプログラム(SP)を行い、バンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔(24)=関大大学院=が89・30点で首位に立ち、日本男子初の大会制覇に王手をかけた。2位に87・80点でパトリック・チャン(19)=カナダ=が、3位に87・70点でブライアン・ジュベール(25)=フランス=が入った。日本勢は、小塚崇彦(21)=トヨタ自動車=が自己最高の84・20点で4位。織田信成(23)=関大=はジャンプをすべて失敗するなど精彩を欠き、50・25点の28位で、25日のフリーに進めなかった。ペアの川口悠子(28)、アレクサンドル・スミルノフ(25)組=ロシア=は2大会連続の銅メダルを獲得した。

  ◇  ◇

 右こぶしを突き上げて、高橋は日本人初制覇に王手をかけるSPの演技を終えた。「あまり良くなかった」と振り返りながらも、バンクーバー五輪で出した自己ベストに0・95点差と迫る89・30点。高得点で、五輪メダリストの貫禄を見せつけた。

 冒頭の2連続3回転ジャンプ、そして朝の練習ではミスをしたトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)などすべてのジャンプを鮮やかに決め、出来栄えを評価するジャッジから加点も引き出した。五輪のフリーで“世界一”の評価を得た表現力も健在。情熱的なタンゴのリズムに乗って観衆を魅了して、他を圧倒する演技点をたたき出した。

 「モチベーションを上げるのが大変だった」という。五輪にピークを合わせて調整してきた今季は、銅メダルを獲得して、一度は完全燃焼した。次なる大会に向けて、もう一度闘志を燃やすことは難しかった。体重も2キロ増えるなど、ベストとはいえない状態だった。

 五輪金のライサチェク(米国)と銀のプルシェンコ(ロシア)、同4位のランビエル(スイス)、同6位のウィアー(米国)ら、五輪上位陣がこぞって欠場したことが五輪後の調整の難しさを物語る。あえて果敢に挑戦した高橋に、最大のチャンスが巡ってきた。

 25日(日本時間26日早朝)のフリーで、偉業達成に挑む。注目の4回転ジャンプ挑戦については、明言を避けながらも「来季はSPでも4回転を入れることが目標」と将来も見据えた。2位のチャンとは1・50点差。日本男子初の世界選手権覇者へ、納得の滑りをするだけだ。

(2010年3月27日)





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