3月20日(日)付
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伊子茂校区に新中学校―加計呂麻規模適正化推進委で本部提案
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瀬戸内町の第1回加計呂麻地区中学校規模適正化推進委員会は19日夜、同町加計呂麻島の押角小中学校体育館であった。房克臣町長のほか、町議会議員、同島内6中学校のPTA、校区住民代表など委員23人が出席。会長に上田敏也教育委員長を選んだほか、(1)新中学校の数や場所(2)新設・既設校利用の別―の2点について議論を深めた。
同町は過去の町立中学校規模見直し審議会答申や町教育委員会意見書などを踏まえて2009年10月、房町長を本部長とする瀬戸内町立中学校規模見直し推進本部を立ち上げ、初回会議で、同地区推進委の設置を決めた。推進委では今後、同推進本部から提案された協定項目などについて調査、審議する。
初回会合では同本部事務局が複式学級、各教科免許外教員による授業の解消、地理的条件などを理由に「新中学校は1校とし、場所は『伊子茂校区』とする」、町の現状とできるだけ早い時期の統合を進めることなどを勘案し、「既設校の伊子茂中学校を利用し、年次的に施設整備を行う」と提案。施設整備について、「プールは水泳指導を行う上で不可欠。体育館などを合わせた複合施設を検討している」とした。
委員からは「学校は1つにまとめた方が生徒にとってもプラスの面が多い。多様な考えに触れることができ、専門の教員から学べる」「できるだけ早い統合を望む。野球やテニスもできる広いグラウンドの整備を」「生徒数の推移をみると、統合しても10年後には子どもが半減する。施設整備には長期的な展望をもった投資をするべき」などの意見があった。 |
ロゴマーク決まる―「あまみ弁当」「アマミムラサキ」
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奄美市が地域ブランドとして認定した「あまみ弁当」「アマミムラサキ」のロゴマーク審査が19日、奄美市役所であり、2点の優秀賞を選出した。弁当は中野寧々さん(14)=名瀬中=、アマミムラサキ(加工食品)は川田悠さん(15)=同=の作品が選ばれた。
審査はあまみ長寿・子宝ブランド選定委員会(会長・越間多輝鐘奄美大島観光物産協会長)が実施した。弁当は155点、アマミムラサキは57点の応募があった。今回は地元中学校の関心が高く、弁当、アマミムラサキ合わせて183点もの応募があった。
島内外でのイメージアップ、他商品との差別化、生産拡大などの観点から審査した結果、中野さんと川田さんの作品が選ばれた。2人の作品は今後、ロゴマークシールやパンフレット、弁当のかけ紙など広く使用される。
「あまみ弁当」「アマミムラサキ」は県が進めるあまみ長寿・子宝プロジェクトの一環。昨年11月に審査があり、弁当11点、アマミムラサキ4点を選出。弁当は炊き込み風鶏飯やニガウリギョーザなど彩りも豊か。アマミムラサキはハンダマ茶や紫コーシャマン(ヤマイモ)の食パンなどユニークなものが多く、人気となっている。 |
東京駒場で「南西諸島の生物多様性地域戦略」フォーラム
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南西諸島の生物多様性地域戦略の策定を目指す日本生態学会フォーラムが19日、東京大学の駒場キャンパスであり、昨年、世界自然保護基金(WWF)ジャパンが取りまとめた同地域の「生物保全地図」を報告を基に学者、NGO、行政のプレゼンテーター、聴講者が生物多様性地域戦略の必要性について、活発な意見を交わした。その中で鹿児島、沖縄両県のデータの交換やステークホルダー(地域社会)の連携、幅広い分野の人々の参加など戦略の在り方が主張された。
プレゼンテーターは3人。WWFジャパンの安村茂樹さんは、同ジャパンが2006年から09年までの3年間、専門家ら50人以上の協力を得て作成した南西諸島の生物多様性の保全上重要な地域を取りまとめた地図について報告。その中で「生物多様性地域戦略」を目指す国や鹿児島、沖縄両県の同地図に対する評価やデータの重み付けやデータベースの改良と更新の課題を提起した。
琉球大学理学部の久保田康裕さんは「島嶼(とうしょ)をモデルシステムとした生物多様性分布の定量手法について」と題して話題を提供。同地図に対して「静的な多様性マップから(時間、地域に即した)“動く”マップの必要性」を強調。今後、行政側の有するデータも積極的に公開すべきだと主張した。
環境省那覇自然環境事務所の奥田直久さんは「地域戦略策定や保全管理施策充実に向けた研究成果の活用可能性について」と題して話題を提供。(1)南西諸島(特に奄美と沖縄)間の連携、共通課題の設定(2)行政調査と民間調査の役割分担(相互補完)(3)地域協同型研究の在り方を主張。中でもステークホルダーの人々の協力、地域の情報センターの指定などが「戦略」に欠かせないことを強調した。
会場は多くの学者や学生、生物関係機関の聴講者で満席となった。その中で「同戦略の担い手は科学者ばかりでなく、いろんな分野の専門家を交えて検討すべき」との意見もあり、あらためて「生物多様性地域戦略」の在り方の方向付けの難しさを印象付けた。 |