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【自動車産業】トヨタ自動車の電子制御スロットル・システムの仕組み

トヨタ自動車の電子制御スロットル・システムの仕組み

◎トヨタ車の「急加速」を追及=電子系統が焦点−米公聴会

※記事などの内容は2010年2月19日掲載時のものです

 アクセルペダルの踏み加減に応じ、エンジンに送る空気量を調整するスロットル・バルブ(絞り弁)の開閉をコンピューター制御し、エンジンの出力を変える装置。従来は、ペダルと絞り弁を直接ケーブルでつなぎ、弁を操作していた。ETCSではペダルの角度をセンサーが感知。電気信号として取り込み、電子制御ユニットと呼ばれるコンピューターが最適な空気量を判断して、絞り弁の開き具合を決める。きめ細かな調整が可能で、燃費性能の向上につながるため、世界の主要メーカーの大部分の車に導入されている。

◎ニュースワード「電子制御スロットル・システム(ETCS)」

※記事などの内容は2010年2月19日掲載時のものです

 トヨタ自動車の一連の品質問題をめぐり、米議会の公聴会が23日(現地時間)から開かれる。同日は米国トヨタ自動車販売のレンツ社長、翌24日には豊田章男社長自らが証言に立つ。公聴会では、トヨタ車が急加速するとの苦情の原因と疑われている「電子制御スロットル・システム」(ETCS)問題が焦点の一つになる。
 トヨタは昨年11月、アクセルペダルがフロアマットに引っ掛かり、急加速する恐れがあるとして米国で約426万台の自主回収を発表。今年1月にはアクセルペダルの不具合でリコール(回収・無償修理)を実施した。同社はマットやペダルの交換で対応しているが、米国では急加速の原因はアクセルとスロットル(絞り弁)を電子制御するETCSに問題があるとの疑いが根強い。
 これに対し、トヨタは17日に開いた記者会見で、「(ETCSには)安全装置が組み込まれており、システム異常が発生した場合でもアイドリングやエンジンストップの状態になる」(豊田社長)と米側の疑念を否定。公聴会でトヨタ側は改めてETCS原因説に反論するとみられるが、出席議員を納得させられるだけの説明ができるかがポイントになる。
 このほか、米国で実施した一連のリコールに対し、「トヨタが不具合が発覚した後、迅速に対応したかどうか」も、議員の関心事となっている。既に米運輸省の道路交通安全局(NHTSA)が調査を開始。故意に対応を遅らせた「欠陥隠し」の疑いも一部で指摘されており、トヨタ側の証言が注目される。