ハードコアの名曲達がCD一枚で一挙に聞けて国内盤・もしくは国内レコード店で扱ってるお奨めCDを紹介
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ハードコアテクノを全く知らない人の為の入門ページです、高校時代管理人はハードコアテクノの最低限の知識を得るまで非常に遠回りをしました。ここでは当時管理人が欲していた「必要最低限の知識のみの一覧」ページとしてハードコアの簡単な説明(あくまで入門のための説明であり定義・詳細は掲載していません)を掲載しています。
既にハードコアシーンに精通している方には、やや上辺をなぞる解説と見えるかもしれません。特に入門向けCDは今すぐ国内で入手できるCDに限定したため選択肢が狭まり、ハードコアシーンの皆さんが想像しているCDとは違ったものになっていると思われます。紹介したCDの他にもこれらに勝るとも劣らない入門向けCDが多数ありますが、まず最初の一歩に迷いがないよう各一枚にまとめました。また、内容がよくても日本国内で今すぐ購入できなければリスナーを遠ざけるばかりですので、今すぐリンクを辿るだけで注文が行えるページへリンクしてあります。
各ジャンルの説明は、各々のジャンルの初期に関する説明が多めです。これは現在進行形のジャンルは多種多様に形を変えているため、「何故あの曲が掲載されていないのか?」ということはあっても「何故この程度の曲が掲載されているのか?」ということがないようできるだけ認知度が高く、既にジャンルとして完成している初期の選曲に絞りました。メインストリームの今の形は皆さんの耳でお確かめ下さい。
このページでは各ジャンルの音を簡単な歴史を中心に解説しています。しかし音楽の歴史というモノほど怪しげなモノはなく、そもそも現時点を基準に過去を一人の人間からの視点で語ること自体が公平ではありません。あくまでも文章は参考程度に解釈して頂けると助かります。以上のことを踏まえた上で2006年を基準とした日本人DJ、DJ TECHNORCHの視点によるハードコアテクノ入門をお楽しみください。
Olskool Hardcore Rave → Rotterdam Hardcore → Gabba → Nu Style Gabba
ご存知世界最狂のハードコアサウンド、テクノサウンドの中で最も高速で重低音が激しいハードコアテクノ。
Rotterdam Recordsからリリースの「De Euromasters / Amsterdam Waar Lech Dat Dan?」「De Euromasters / Alles Naar De Klote」「Rotterdam Termination Source / Poing」――数多くのジャンルの発端同様、第一作目と言われる作品は諸説あります。――のメガヒットを皮切りに、当時130BPMが早いと言われた時代にして最速の160BPM近くの高速サウンドとして一大ムーブメントになりました。発祥の地オランダのレーベルRotterdam, Ruffneck, Mokum等が影響力を強め、最終的に180BPM近くにまで達した高速テンポと限界まで潰したバスドラム「Gabba Kick」が特徴のGabbaと呼ばれるサウンドへ進化することになりました。「Rotterdam」から「Gabba」へと名前が変化する過程に特に明確な線引きは見当たりません。
日本では石野卓球が自身のラジオ番組オールナイトニッポンで熱烈プッシュを行い、93年にはavex traxが造語ジャンル「Rotterdam Techno」を使い、石野卓球がブックレットも担当した「Rotterdam Techno is Hard Hard Hard!」シリーズをリリース。これにより国内での入手が非常に容易になり、認知度も急上昇しました。
「Gabba」はオランダ語の「仲間」を意味します。「Rotterdam」はオランダの工業都市の名前を指し、音楽ジャンルとしても「Dutch」ではなくわざわざ「Rotterdam」と呼ばれ、初期の名作がオランダ都市部のAmsterdam売れ線DJを罵倒する内容ばかりであることからも、強いレジスタンス精神が感じられます。「Amsterdam waar lech dat dan? = アムステルダムは地獄?」という曲名やAlles Naar De Klote冒頭でのアムステルダムDJ 「DJ Dimitri」への執拗な罵倒等はかなりわかりやすい例と言えます。Gabbaの定番シリーズThunderdomeがOldskool Rotterdam時代からリリースを初め、近年ジャケットリニューアルを行うまでGabbaの代表曲を網羅したコンピとして人気を呼びました。
また、中期に入るとAtari Teenage RiotによるGabba, Drum'n'Bass, Punkの独自解釈「Digital Hardcore」が登場し、彼らはGabbaそれ自体のムーブメントを凌駕するほどの一大ヒットになりました。中期にオランダ・メインストリームはHappy Gabbaへと進展しましたが、一気に明るいサウンドへと切り替わったオランダ勢へと対抗するように、世界中からそれらとは異なったよりスピーディでノイジーな路線としてSpeedcore, Industrial Hardcoreシーンが誕生しました。Lenny D率いるIndustrial Strength、The Speedfreak率いるShockWave Recordings、Nasenbluten率いるBloodyFistなどが台頭しました。その後オランダ・メインストリームは低速テンポや3連譜などの要素を用いて、Gabba Kickの重みを更に際立たせたNu Style Gabbaというジャンルへ進展しました。Speedcore路線とNu Style路線は他ジャンルの影響をうけつつ互いに独自の道を進み始め、特に近年ではBreakcoreに影響を受けるアーティストも多く、Hardcoreのみに括られないシーンを跨いだ活動を行うアーティストも目立ちます。(あらゆるジャンルから同時多発的に影響を受けて誕生したBreakcoreをGabbaの進化ジャンルとして解説することはやや強引過ぎると思われます。別項を参照してください。)
オランダ・メインストリームのNu Style Gabbaは当初は「Oldskool回帰」とも言われる程シンプルなサウンドでしたが、3連譜楽曲の減少や再びの高速化、そしてトランシーなサウンドが加わったことにより、全体的な音が目に見えて洗練化されていきました。また、Nu Style Gabbaの一貫としてHardhouseとの融合を遂げたスタイルのリリースが「Hardstyle」と名前分けが出来るほど分化が進み、このサウンドはHard Danceシーンで一大ムーブメントとなりました。この時からGabbaと同時にHardstyleを生産するアーティストや完全にHardstyleのみに移行するアーティストが目立ち始めます。Hardstyle自体にもまたも原点のシカゴハウス・オールドスクール回帰が起こり、構成音数が片手で数えられる程にシンプルな「Jumpstyle」が誕生。Jumpstyleに合わせた特殊な踊りが流行し、話題になりました。一方オランダ・メインストリームではOldskool Rotterdam時代からの人気レーベルの多くが現在もそのままシーンを先導する形になっており、変わらぬ盛況を見せています。
このように多様化を進めつつも、現在オランダではガバで踊るためにアリーナに数万人のレイヴァーが集まるほどの人気を得ています。以前偶然オランダ現地のクラブミュージック系雑誌を読む機会がありましたが、世界中に名の通っているテクノ系アーティストの隣にさも当たり前のようにGabba系アーティストのインタビューが掲載される等、根本的にハードコアテクノの浸透度が他とは違うようです。
『入門向けCD』
オムニバス(ROTTERDAM RECORDS) / THE BEST OF ROTTERDAM RECORDS VOL.1
『入門向けCD』
オムニバス(DJ CHUCKY & DJ Q-KO) / ROTTERDAM GABBERZ
『入門向けCD』
オムニバス(ROTTERDAM RECORDS) / NIGHTMARE IN ROTTREDAM ~legend returns~
別項(解説:OTHERMOON):BREAKCORE入門へ
Oldskool Hardcore Rave → Piano Breakbeats → Happy Hardcore → UK Hardcore
Rotterdam Hardcoreのハッピー版のようなスタートに見られがちのHappy Hardcoreですが、はじめは4つ打ちハードコアですらなくRave時代のBreakbeats Hardcore/Jungleムーブメントにおけるブレイクビーツサウンドが発端。初期Rave群の中から特に明るいPiano Breakbeats系のブレイクビーツサウンドが多数登場し、Jungle/DarkやDrum'n'Bassなど、ラガ路線や暗くシリアスな路線のブレイクビーツトラックがブームになる中、Piano Breakbeatsはハッピーサウンドに更に偏向。そしてこれらは時が経つにつれ他のブレイクビーツサウンド同様高速化が進み、更にハードな方向性になったPiano Breakbeatsは徐々に4つ打ちが入り始めました。初期はブレイクビーツから4つ打ちへの変化ということからその名のとおり4 beatとも言われ、Happy Hardcoreというジャンル名が定着するまでにはHappy Hardcoreという名称を嫌がるアーティストもおり、Bouncy Technoという名前も用いられました。初期から中期まではUnited Danceシリーズが、中期から現在まではBonkersシリーズがシーンを代表する定番シリーズとして挙げられます。
また、Nu-NRG,Hard House側からの影響を強く受けたTrancecore, Freeform Hardcoreが登場し、Nu Energy Recordings, Stomping Toonzなどが人気を得ました。TrancecoreとFreeform Hardcoreの違いは製作者側同士でも意見が揃わないほど不正確で、初期はTrancecoreが、現在ではFreeform Hardcoreの名称が主に用いられています。綴りは初期のCDを読むとTrance CoreではなくTrancecoreが正しいようです
それとは更にまた別に、スペインからその名の通りSpanish HardcoreもしくはMakina(スペイン語の"機械"を意味する)と呼ばれるスタイルが登場し、その独特なメロディ・リズムといったサウンド面だけでなく、他ジャンルとは全く異なるMix CDの形式などにも特徴が見られ、Bit Music等を代表として現在も独自のシーンを作りあげています。現在は呼称としてはMakinaが一般的によく見られます。
一方HappyHardcoreは一部のレーベルがHappy Hardcoreを更に洗練させリズムにHard Danceの要素等を取り入れたよりトランシーなスタイルのハードコアをリリースし始めました。現在ではこのサウンドは今までどおりHappy Hardcoreと言われると同時にUK Hardcoreとしてメインストリームに踊り出ました。これと同時にFreeform Hardcoreがそのサウンドの多様化を進め、各アーティスト・各レーベルごとにNu Style GabbaやUK Hardcoreとのクロスオーバーを進め、特にNu-NRG側との一層の融合を深めたフィンランドハードコア勢によるHard NRGの登場は話題を呼びました。このように元々不安定だったFreeform Hardcore系のジャンル名は更にジャンル名の細分化を進めることになり、ジャンル名そのものが段々と認知度を落としていきました。レコードショップ等細分化するわけにはいかないところではこれら全てのスタイルをHARDCOREでまとめることも多く見られます。GabbaがメインのレコードショップはGabba系全てを"Hardcore"に、逆にHappy HardcoreがメインのレコードショップはHappy Hardcore系全てを"Hardcore"に分けていることが良く見られます。
ハードコアシーンだけに留まらず、特に一般のポップスとしても受け止め易い歌モノUK Hardcoreからイギリスポップチャート上位にランクインが輩出されイギリス本国ではテレビCMが放送されるなど、以前のハードコアブームを凌ぐほどの一大ムーブメントであり、日本では考えられない程の認知度を持っています。
『入門向けCD』
オムニバス / Helter Skelter Presents. United in Hardcore (Disc 3)
『入門向けCD』
オムニバス / Helter Skelter Presents. Hardcore Classics
『入門向けCD』
オムニバス / BEST OF BONKERS (DJ SHARKEY DISC)
『入門向けCD』
オムニバス(DJ DEPATH) / CHAOS RAMPAGER
ノンジャンルネタモノ音楽「ナードコア・テクノ」ブームを通過し、その中でもハードコアテクノ系トラックが日本独自の音楽市場と結び付いた結果、オランダ・イギリスメインストリームのハードコアとは異なる独自路線が生じました。この日本独自のハードコア路線を再評価しJ-COREと呼ぶ動きが登場。※現状では定義付けや歴史的定義も非常に曖昧です