166075_c450生方を呼び戻してまで、なぜ小沢一郎は政治権力を維持したいのか。マスコミの世論調査など知らないと言い張り、一方で農協や医師会、全土連などかっての自民党の牙城だった外堀を確実に埋め、検察にもこれ見よがしの力を誇示しているののはなぜか。利権政治の象徴であった箇所づけをしてまで、行政を動かしているのは政権与党でしかないことを、思い知らせているのか。政治と金でイメージをダウンさせ、前原、枝野たちに自らを批判され、それでもなぜ幹事長にとどまるのか。不思議ではないだろうか。

gijidou01これはマスコミの陰謀だとか、検察の陰謀だとかいわれるが、はたしてそれだけだろうか。じつは「風」で当選してきた議員はもとより、七奉行やボケがつよくなった渡辺恒三ですら、権力に無知であることに起因している。自民党が野党なれしていないのはご愛嬌だが、民主党が権力を知らないのも考えものである。ご存知のようにすべては国会の議決多数で決まるというあたりまえのことが、意外と知られていない。税金で集めた金をどう使うか決めることができ、決まったことは実行され、下手に逆らえば公務をさまたげた罪に問われ、強制的に拘束される。極端にいえば、警察や軍隊だって、国会で多数を占めた党のおもうがままであるともいえる。官僚組織がいかに絶大だとはいえ、政治権力の指揮権下にあるのだ。

はっきりいおう。権力の実権さえあれば、安泰なのだ。逆に権力の実権がなければ容易に拘束され、殺されることだってあるのだ。

民主党にあって、こうした権力の本質と恐怖を実感として知っているのは
残念ながら小沢一郎しかいないのだ。闇将軍などというマスコミの造語にごまかされ、彼の師・角栄も金丸も結果獄に繋がれ非業の死を遂げたことを彼は学習している。

だから幹事長を辞めるわけにはいかない。イメージ戦略や「風」を計算して小沢一郎が一旦幹事長をやめて、闇将軍になるなどというデマロギーを流布しているマスコミや反対勢力(自民党だけでなく民主党内にもいる)
に断固として乗るわけにはいかないのだ。

権力にあるものが、一旦その地位を降りたとたん、やられるのは政界のみならず、世界の歴史である。そしてそれを熟知している小沢一郎は検察への抑止力としても、辞めるわけにはいかないのである。

政権交代という奇跡で生命が維持されている男の、生命維持装置をはずすという輩の馬鹿さかげんがこの二、三日つづいている。

政治家の劣化もここまできたか。