宮崎県日向市幸脇(さいわき)の市立幸脇小学校で、敷地の一部の所有権を主張している近くの男性(59)が、運動場にミカンの苗木約130本を植えていたことが分かった。ほぼ等間隔で植えられ、運動場は約半分が使えない状態で、市教委は近く撤去する方針。
学校や住民によると、20日に登校した教頭が、男性ら4人が運動場に重機を持ち込んで苗を植えているのを見つけた。警察官も呼んで注意したが聞かず、21日も手作業で植えたという。同小の25日の卒業式は体育館であり、影響はなかった。
市教委によると、同小は1925(大正14)年に運動場などを拡張。岩脇村(当時)が地主の住民5人と土地買収契約を結んだが、3人分の登記が書き換えられず現在に至っており、うち1人が男性の父という。男性は約20年前から市に土地の買い取りを求めていた。ただ、市は昨春まで男性から固定資産税を徴収しており、対応に不備があったことを認めている。
市教委は「当時の区長の記録などが残っており、土地売買は成立している。男性に対して土地所有権確認の訴訟を起こしたい」としている。
男性側は西日本新聞に「マスコミに話すことは何もない」としている。
=2010/03/26付 西日本新聞朝刊=