トヨタ自動車は25日、向こう3カ月(4~6月)の1日当たりの国内生産計画を、前月作った3カ月計画より約1000台少ない1万2500台規模に下方修正したことを明らかにした。大規模リコールの影響で国内外の販売が落ちているため、従来計画より約1割引き下げ、在庫圧縮を急ぐ。
3カ月計画は主な取引先部品メーカーに毎月内示している。通常は非公表だが、生産担当の新美篤志副社長が同日、名古屋市内で記者団に語った。3カ月計画の下方修正は2カ月連続という。
新美副社長は米国販売が今月に入って持ち直しつつあることについて「(値引きなど)お金を使ってなんとか支えている状況だ」と説明。欧州や中国、国内での販売にもリコールの影響が出ているとの認識を示し、生産部門は「少なくとも年内は低いレベルが続くと覚悟して構える」と述べた。需要が計画を超えた場合は残業で対応するという。
また、円高の長期化に備えるため、米国産部品の輸入を増やしたり、中国から部品をドル建てで輸入することを検討していると明らかにした。国内工場の稼働率を上げるため、生産ラインを一部廃止することもあり得るという。国内での人員削減の可能性は「余剰感はない」と否定した。【宮島寛】
毎日新聞 2010年3月25日 21時12分