「足利事件」 20年にも及んだ菅家利和さんの戦いに無罪判決 宇都宮地裁
菅家利和さん(63)の20年にも及んだ戦いに、ついに無罪判決が出た。裁判長の異例の謝罪に、菅家さんからも驚きの声が上がった。
無罪判決を受け、菅家さんが両手を大きく振り、宇都宮地裁の前に姿を現した。
支援者は、菅家さんに「よかったね、謝ったね」と話した。
菅家さんは、報道陣に力強くガッツポーズを見せ、自ら「完全無罪」の紙を掲げた。
1990年、4歳の女の子が殺害された、いわゆる「足利事件」で17年半服役した菅家さんに26日、無罪判決が言い渡された。
判決を聞いた支援者は、「本当に、この言葉を聞きたかったんです。よかった、よかった」と話した。
宇都宮地裁は、今回の判決で、当時のDNA鑑定について、証拠能力を否定し、自白の任意性は認めつつも、信用性はないとした。
そして、無罪判決を言い渡したあと、異例の出来事が起こった。
裁判長と裁判官が起立し、菅家さんに謝罪した。
菅家さんは「『二度とこのようなことを起こしてはならないという思いを強くしています』と」、「ああいう形で、(裁判長が)謝罪するとは思ってもいませんでしたので、感動しました」などと話した。
あらためて境 鶴丸キャスターが菅家さんに話を聞くと、菅家さんは「(本来の菅家さんを取り戻すのは、まだまだかかりそう?)まだ、しばらくかかりますね。やはり、(取り調べた検事などに)謝罪してもらわないと。わたしとしては、まだまだ納得できませんし」と語った。
一方、菅家さんは公判中、冤罪(えんざい)の原因究明を求めていたが、26日の判決は、誤判の原因については踏み込まなかった。
(03/26 19:19)