看護師の患者イジメ急増“白衣の天使”が犯罪に走る境目

●３Ｋ職場の過重なストレスが…

　かの京大付属病院で、治療に必要ないインスリンを患者に多量投与した２４歳のナースが殺人未遂容疑で逮捕された。

　つい先日も、兵庫県の病院で２６歳のナースが入院患者の肋骨を何本もへし折っていたことが表沙汰になったが、白衣の天使がこんな所業に及ぶなんて、おちおち入院もしていられない。うら若きナースは、なぜ凶行に走るのか。

「今回のケースは何か深い事情があったのかもしれませんが、看護師の異常行動には職場の人間関係が影響している可能性は高い。あくまで一般論ですが、医者を困らせてやろうとか、男がらみのトラブルが動機につながるケースはあるでしょう。ストレスのはけ口は、どうしても自分より弱い立場に向かいがちです。もっとも、抵抗もできない患者を対象にしたとすれば、言語道断。あってはならないことです」（医学博士の米山公啓氏）

　兵庫のナースは「イライラしてやった」と供述しているという。都内の大学病院に勤める３０代の看護師は、職場の内実をこう語る。

「ナースは典型的な３Ｋ職場です。夜勤もあって生活は不規則だし、命を預かる職場だから常に緊張を強いられる。ストレスは相当なものがあります。閉ざされた世界での人間関係に悩んで辞めていく若いナースも後を絶ちません。慢性的な人員不足で、業務量は増える一方。夜勤明けの意識レベルは酒気帯び状態と同等だという説もありますが、早朝の手術や採血でもミスは許されない。夜勤明けはコーフン状態のまま帰るので、家に着いてもしばらく眠れません。正直ムラムラすることもありますよ。彼氏でもいればいいけど、出会いもないし。医療現場で不倫が横行するのも分かる気がします」

　ナースはスケベという俗説も、あながち迷信ではないのだ。

「夜勤明けのナースと合コンしたことがありますが、乱れ方がハンパじゃなかった。１次会もそこそこにホテル。男２人を相手に、３○に応じてくれました。でも、僕らの方が先にヘタってしまって、彼女は不満そうでしたね。ストレスがたまってるんだろうなぁと同情してしまいました。昼間の出会い系でも、よく夜勤明けのナースがつかまりますよ」（風俗ライター）

　患者に矛先を向ける前に、セックスでストレスを解消できるなら、いくらでもお手伝いしたいところだ。

（日刊ゲンダイ2010年3月23日掲載）