デートに夢中？中井大臣　尾行気づかず赤面

衆院本会議場で鳩山首相（右）に頭を下げる中井国家公安委員長 Photo By 共同

　中井洽国家公安委員長が２５日、３０代前半のホステスに東京・赤坂の衆院議員宿舎のカードキーを渡していたとの報道に対し、この女性とは約６年前から交際しており、キーを渡したことに問題はないとの認識を表明した。辞任は否定し、「問題があるならはっきり言ってもらいたい」と記者に“逆ギレ”する場面もあった。

　中井氏は国家公安委員会終了後の会見で、女性について「もう６年くらいの付き合い。（議員宿舎の部屋に）週１回、掃除に来てもらっている」と説明。中井氏は９８年に妻と死別し独身。赤坂の議員宿舎には０８年４月から入居しているという。

　カードキーを渡したことについて「衆院にも問い合わせたが、何もおかしなことをしているわけではない」と強調。衆院事務局によると、議員宿舎の鍵の管理は入居者に任され、家族以外の出入りも制限されていない。

　２５日発売の「週刊新潮」は、福島県で震度５弱の地震が起きた３月１４日、女性と都内で映画「シャーロック・ホームズ」を観賞し、地震発生から約１時間半後に映画館から出てきたと指摘。これについて「発生直後に秘書官と連絡を取っていた」と述べ問題はないとの見解を示した。

　また、本来営業を認められていない一般車両で送迎を受け運転手に現金を渡していた“白タク乗車”については「店を出た時に、お店の人が“タクシー乗り場まで歩いて並ぶのが大変だろうから車を呼んであります”というのでそれを使った。それが白タクだったかは知らない」と述べた。

　会見は警察庁で行われ、「国家公安委員会」「警察庁」の文字が並ぶパネル前で現職閣僚が女性問題について釈明したのは前代未聞。同誌には女性と路上でキスする写真なども撮影され、国家公安委員長の立場から「つけられて（尾行されて）いるのが分からないのは恥ずかしい」と頭をかいたが、自らの進退に関し「思ってもいない。職務に精励する」と辞任を否定。ただ、カードキーを渡したことに問題がないかと記者から重ねて追及されると「何か問題があるならはっきり言ってもらいたい」と顔をこわばらせた。

　会見に先立ち、同日午前、平野博文官房長官が中井氏を首相官邸に呼び「気を付けてほしい」と注意。中井氏は「私事でお騒がせして申し訳ない」と陳謝した。鳩山由紀夫首相は同日夕、官邸で記者団に「本人は深く反省したようだ。法令違反をしたことはない」と述べ、責任問題には発展しないとの認識を示した。

[ 2010年03月26日 ]