陸上自衛隊第6師団第44普通科連隊(福島市)の前連隊長が、日米同盟に関する首相発言を批判するかのような発言をしたとして処分されたことを巡り、陸自第11旅団(北海道・真駒内駐屯地)の前中隊長(3等陸佐)が先月、榛葉賀津也副防衛相らに「発言は総理の指揮、統率を乱すものではない」などと発言を擁護し、処分を批判するメールを送っていたことが分かった。
北海道の別の部隊(第2特科連隊)でも先月、中隊長(1等陸尉)が朝礼の訓示で前連隊長の発言を擁護し、自衛隊の最高指揮官である鳩山由紀夫首相を批判したことも判明。1尉は普天間問題についても「総理はいいかげんだ」と発言していた。防衛省は3佐について「正規の手続きを経ず意見具申したのは規則違反」として今月3日に口頭注意処分とした。1尉は「公の場での発言ではない」として厳重指導とした。
前連隊長は先月、宮城県の演習場で開かれた米陸軍との共同訓練開始式の訓示で「同盟というものは『信頼してくれ』などという言葉だけで維持されるものではない」などと発言。同省は「政治や外交を軽視し、首相発言を非難していると誤解を招く発言」と文書による注意処分にしていた。【樋岡徹也】
毎日新聞 2010年3月25日 東京夕刊