堀添さん一家は、共働きで子供が2人。今回は、憧れの鎌倉山に念願のドリームハウスを建てることに。しかし、そこは平均傾斜45度の、いわゆる崖。
果たして、45度の崖に家は建つのでしょうか!?そこには、崖ならではのトラブルと、その困難を乗り越えようとする職人達の熱いドラマがありました。
さぁ物語の始まりです。
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海を見ながらビールを飲みたい
A
居酒屋風ダイニングでゆっくりくつろぎたい
B
自然素材の家
土地2000
(平地の3分の1)
建築予算3000
敷地面積 247u(75坪)
建ぺい率40%
容積率80%
この崖に挑むのは、建築家、山内真人。
急斜面の住宅を得意とする山内先生は、困難な土地ほど意欲を燃やす、情熱の建築家。
自然と一体になれる家をテーマに、数々の崖に奇跡を起こしてきました。
そんな先生が、今回、堀添さんのために考えたプランがこちら!
大きな負担となってしまう基礎を最小限に抑えることでコストダウン。
大きな基礎を作らず、逆に45度の傾斜を生かすような設計にしました。
スキップフロアーのスタイルをとった延べ床面積41坪の3LDK。
大きなテラスもあって、鎌倉山の自然に溶け込みます。
果たして、崖の家は無事、完成とあいなるのでしょうか!?
こうして始まった、今回のドリームハウス。
まずは、木の伐採から。周囲が住宅地であるため、木を一本倒すにも神経を使います。
次に、傾斜地建築のキモともいえる基礎工事へ。
家の先端部分の足場は、地中深く掘り下げなければいけません。
しかし、掘り始めてびっくり。土の下には固い岩盤が。
ここで職人の知恵!道路工事用のドリルを使用することで頑丈な基礎作りに成功しました。
堀添邸は、単純な3層構造ではなく、空間と空間を結ぶスキップフロアーを採用しているため、棟上げ作業も通常より複雑で手間がかかります。
建物の最上階、玄関上に造るロフト用の材木もハマり無事に骨組みが完成。
内部の工事へ突入するにあたり、なんと奥さんは、建築家に自分で作ったキッチンの模型を披露。
山内先生も、そんな奥さんの希望に応えるべく、キッチンをあえて一番奥に持ってくることで居酒屋風のほの暗さを演出するプランにしました。
着々と進められていく工事。
外壁に山内先生は、防火に優れたカナディアン・レッドシダー
を選びました。
より美しい外壁を造るため、板金のプロフェッショナル夫婦も登場。夫婦の力をあわせて9メートルにも及ぶ一枚のガルバリウム鋼板の取り付けに成功。
つぎはぎよりも、断然美しい仕上がりとなりました。
そんなこんなで、傾斜45度の崖に挑んだドリームハウス。様々なアクシデントを乗り越え、ついに完成!
最上階に設けられた玄関を入ると、まず目に飛び込んでくるのは、粋な小上がり。
その先には、16畳の広々としたリビングが。
眺めは抜群!窓を全開にすれば、風通しも最高です!
そして何より、この家の宝物はテラスからのこの眺め!
まるで展望台のようです。
奥さんのこだわったダイニングキッチン。
山内先生のアイディアも生かされ、ほのかな暗さの落ち着いた居酒屋風ダイニングは大成功!
そして建物の最先端、崖の上に貼り出した部分に位置するのが、お風呂。
全面ガラス張りながら、自然の木々が目隠しになるため、カーテンもブラインドも一切必要なし!
自然の光を浴びて入るお風呂、気持ちよさそうです。
崖に家を建てる!その夢に挑戦した堀添さん。
そして、その夢を実現させるべく全力を尽くしたたくさんの職人さんに建築家の山内先生。
みんなの力が一つになって、高低差30メートル、平均45度の急斜面に素晴らしいドリームハウスが完成したのでした。めでたし、めでたし。