島田さん夫妻は今年で結婚10年目。4年前にご主人の転勤で大阪から東京へ移り住む事になり、現在は調布市内の1LDKマンションで暮らしていますが、お子さんが生まれ、現在の住まいでは手狭になってきたため家づくりを決意しました。 島田さんが購入した土地は、同じ調布市内。駅から徒歩10分程の閑静な住宅街の一角。敷地面積は20坪ありますが、建ぺい率が40%なので、最大でも8坪の家しか建てることが出来ません。家族4人が快適に暮らせる家作りを目指します。
敷地面積 68u(20坪) 建ぺい率 40% 容積率 80%
そんな島田さんの夢を形にするのが建築家・長岡勉と田中正洋、そして構造家の横尾真。家の中心に螺旋階段を配置し、その階段の踏み板が広がって伸びたように部屋の床を作るプランを提案します。いわば、家全部が巨大な螺旋階段のような構造で、合計10層のフロアが、らせん階段を中心に広がる驚きの構造なのです。 各フロアに仕切りは設けず、10層が高さをずらしながらつながり、光も遮断しない。いまだかつてみたことない斬新な設計で施主の希望を見事に叶えた構造。一体、どんなドリームハウスが完成するのでしょうか?
いよいよ着工です。島田邸は、容積率に入らない半地下を設けるため、掘削の深さも深いものとなります。 そして着工から一カ月。基礎が完成しました。 やはりちょっと狭いような気がしますが…。
上棟が始まりました。しかし、大工さんたちが大混乱…。どうやら、かなり複雑な構造のようです。 構造体の模型を確認しながら、慎重に作業をすすめます。
難しい構造ながら、大工さんたちの頑張りのお陰で、一日で上棟が完了しました。
屋根工事が始まりましたが、なんと傾斜角度30度という急勾配で、またまたたいへんな工事です。
階段の踏み板の角度が間違っているというハプニングが発生!しかし、そこは職人技でなんとか解決。地下から続く美しい螺旋階段が完成しました。
大きなサッシがたくさん搬入され、念願の明るい家への期待が一気に高まります。その他にも様々な仕掛けが施されていき、いよいよ完成間近です。
調布の閑静な住宅街に、シャープな外観のドリームハウスが姿をあらわしました。
収納たっぷりの玄関は、地下から数えて3層目となる空間にあります。その右には4層目のリビングがあり、大きな窓から光が差し込みます。
その上、5層目にはキッチンがあり、ここもリビング南の窓からの光で明るいスペースです。
キッチンの上、6層目にはダイニングが設けられ、こちらの窓からは気持ちの良い朝日が差し込みます。 隣の7層目は勉強スペースとしました。
8層目は子供室、9層目は夫婦の寝室となり、いつも子供たちの寝顔を見られるようになっています。 そして10層目は、わすか1畳ですがロフトになっています。
そして、玄関から地下へ向かうと、2層目の、トイレ、浴室などの水周りがあります。
そして1層目となる地下室は、上のフロアと一続きになっているため、湿気をあまり感じることがありません。 防音もバッチリ。さらに、ここには3畳という大容量のクローゼットが作られました。
狭さを、家そのものを螺旋階段にしてしまうという驚くべきアイデアで克服した島田邸。 ドリームハウスの完成!おめでとうございます。