原口一博総務相は25日、国会審議に2度遅刻した問題で、国会との連絡調整に当たる総務省大臣官房の原口亮介総務課長ら4人に異動を内示した。発令は4月1日付。国会対応の要である総務課長を国会開会中に交代させるのは異例で、事実上の更迭だ。
異動を発令されたのは総務課長のほか、同課国会連絡室長と室員2人。省内からは「自らの遅刻の責任を職員に押しつけた」との不満も出ている。原口氏は1月にも、就任半年の事務次官を交代させる異例の人事を行っている。
原口氏は2010年度予算案が衆院通過した直後の今月3日、参院予算委員会の初日の審議に仙谷由人国家戦略担当相、前原誠司国土交通相とともに遅刻。自民党など野党側が「参院軽視だ」と反発し、開会が15分遅れた。この際、原口氏は平野博文官房長官に「事務的連絡ミス」と釈明していた。
原口氏はこの後、16日の参院総務委員会も約5分遅刻し、野党が審議に応じず流会となった。原口氏は「直前まで衆院本会議で採決があった」と説明したが、亀井静香金融・郵政改革担当相は開始時間に到着していた。
1度目の遅刻後、官房総務課と秘書官の間で日程確認を緊密にするなど3重の再発防止策を原口氏が指示していた。2度目の遅刻は「党の対応にも問題があり、必ずしも職員の責任とは言えない」との声がある。
仙谷、前原両氏は今回のような“処分”を行っていない。