疲れた肝臓を助ける「濃い緑茶」のパワー日経ウーマンオンライン(日経ヘルス)3月25日(木) 11時13分配信 / 国内 - 社会
和食が体にいいのは、食事と一緒にお茶を飲むという昔ながらの習慣も一因。それを裏付けるように、近年、科学的に解明されるお茶パワーは、動脈硬化やがん予防から血圧上昇抑制、歯周病予防まで多岐に及ぶ。 特に、注目を浴びているのは、お茶のダイエット効果だ。茶葉の成分が働いて体脂肪を減らす作用があり、その効果をうたうトクホ飲料も登場して久しい。 「ダイエット効果を得るには、茶葉をたっぷり使ったカテキンの多い濃いお茶が決め手」と大妻女子大学の大森正司教授。カテキンは茶葉の1〜2割を占める渋みのもと。カテキン量が多い「渋い濃い茶」こそダイエット効果が高い(下のグラフ)。 【詳細画像または表】 さらに、カテキンは肝臓で重要な働きをすることがわかってきた。お酒の飲みすぎで肝臓に脂肪がたまり、肝機能が低下することは知られているが、実はお酒を飲まない人でも同じ症状が起こる。そんな非アルコール性の脂肪肝の患者が高濃度のカテキン飲料をのんだところ、脂肪が減り肝機能が改善したことが、花王と久留米大学医学部との共同研究で判明した。 「“非アルコール性”で肝疾患が起こるのは、体内で過剰に発生した活性酸素が原因と考えられ、改善にはカテキンの抗酸化力が作用したと推測される」と久留米大学医学部消化器内科の坂田隆一郎医師はいう。 アルコールだけでなく、糖も脂肪もたんぱく質もすべて代謝し、同時に解毒作業などの激務を担う肝臓は「活性酸素が多く発生する場所」。そこに、カテキンを届けることで肝臓の代謝機能をサポートできるという。「そのためには、濃いお茶を食事と一緒に飲むのが効果的」と坂田医師。それだけで、肝臓をケアしながらダイエットもできる。 肝臓やダイエットに効く3つのカテキン効果 ● 肝臓にたまった脂肪を分解カテキンは肝臓内の脂肪燃焼酵素の働きを活発にし、脂肪燃焼を促進。活性酸素が原因とされる肝臓の症状を抗酸化力で和らげる働きも。 ● 糖の吸収を抑える カテキンは糖分を分解する消化酵素の働きを阻害し、糖分が体内へ吸収されるのを抑える働きがある ● 脂肪の吸収を抑える カテキンの中でも多くを占めるエピガロカテキンガレート(EGCG)が、脂質を分解する消化酵素の働きを阻害し、脂肪吸収を抑制。 熱いお湯でいれた濃いお茶を朝ご飯と一緒にのもう 肝臓に働きかけてダイエットにも効かせるには、最低でも1日500mg以上、できれば1000mgのカテキンをとりたいところ。「茶葉に含まれるカテキンは、80℃以上の高温の湯で溶け出す。基本は5gの茶葉に熱い湯100mlを入れ1分おくのがポイント」と大森教授。この方法なら茶葉に含まれるカテキンの約60%が抽出でき、同様に同じ茶葉で2煎せん目めをいれれば、合わせて80%のカテキンがとれるという。朝食とともに2杯のめばそれだけで、400〜500mgのカテキンがとれる。 昼食用には2倍の茶葉とお湯でMyカテキン茶を作り、水筒に入れて持ち歩こう! カテキン量が高いのは番茶粉茶もそのまま飲めて便利! 夏の紫外線を浴びて育った番茶はカテキン量が豊富。しかも煎茶に比べて低価格。最近は番茶を混ぜた煎茶も多いので、どちらでもOK。粉茶ならお湯に溶かすだけ。カテキンも丸ごととれる。 ランチのお供のカテキン茶は番茶や粉茶で手早く作ろう 昼食用には、たっぷり茶葉で一気に作る。 粉茶ならお湯を入れてシャカシャカ混ぜるだけ。 ランチのころには少し冷めていて渋みも軽減! Profile 大森 正司 教授 大妻女子大学 食品科学室 濃いのが苦手な人は徐々に濃くしていって お茶研究の第一人者。「薄いお茶は効果が少ないが、渋いお茶が苦手な人は最初から無理をせず、徐々に濃くしていくと自然と飲めるようになる。何より“おいしい”が長続きのもと」。 坂田 隆一郎 医師 久留米大学医学部 消化器内科部門 肝臓に負担をかけないバランスのいい食生活も大切 「肝臓は丈夫な臓器だが、非常に多くの代謝を担っており、糖質過多や脂肪過多などの偏った食生活が続くと処理が追いつかなくなる。バランスのいい食生活は肝臓に負担をかけない点でも重要です」。 構成・文/中能 泉(なかよくオフィス) 写真/小林キユウ 【関連記事】 肝臓の働きを高める「朝たまご」レシピ 春の不調の原因は「お疲れ肝臓」と「へたれ腸」
|
PR Yahoo!ニュースからのお知らせ(3月25日)
|