「考えすぎた」の言葉通り、何もできないまま白鵬の上手投げで敗れた把瑠都
「大相撲春場所11日目」(24日、大阪府立体育会館)
初黒星を喫した把瑠都は「立ち合いが失敗した」と唇をかんだ。「いろいろと考えすぎた」結果、豪快な突き押しは影を潜め、中途半端に組みにいってしまった。最後は土俵下まで投げ捨てられ、右ひじと右ひざをすりむき出血。それ以上に「頭が痛いよ」と、優勝争いから後退する1敗に顔をしかめた。
勝てば「大関当確ランプ」がともる一番だった。友綱審判部長(元関脇魁輝)は取組前、把瑠都が白鵬に勝った場合は「2勝分から3勝分の価値がある。あしたにも審判部で大関昇進の話が出る」と明言。昇進ノルマとされる「13勝」到達を前に、うれしい知らせが届くはずだったが、大きな大きな白星をつかみ損ねた。
ただ、闘志は衰えていない。「頑張るしかない、あと4日」と気持ちを切り替え、白鵬と優勝決定戦でもう一度戦いたいかと問われると、力強くうなずきながら「あしたから白星でいかないと」。大関昇進だけではなく、初賜杯もしっかりと見据え、千秋楽まで勝ち星を積み重ねていく。
(2010年3月24日)